教育・研究をせずに、大学経営に専念する教授を置くと東京工大が発表した。これがニュースになるというのがいささか不思議なのだが、いままでになかったということのなのだろう。
教員から学長や学部長を選出した場合でも、学長・学部長の仕事以外に、教育や研究をするのが日本の大学のスタンダードということなのだろうか? 民間企業で考えれば、技術畑出身者が社長に就任した後も、研究を続けるようなものだろうか。両立が可能であれば、それも悪くはないが、兼務でこなせるほど学長の仕事は楽ではない。
日本の場合、大学設置基準に必要教員数は明記されていたり、補助金の算定が教員数を元に行われたりするため、本当に必要かどうかに関係なく、一定数の教員を置かざるを得ない。学生数が減少したり、定員を割り込んだとしても教員を減らすことはできない仕組みになっている。一方、事務職については、明確な規定はない。そうなると、教員に経営や事務を担ってもらうというのは自然な流れだろう。出身が教員か事務かに関係なく、経営に長けた人が経営を、事務に向いている人が事務をすれば良いというだけのことだが、設置基準で教員数を縛ると、教員という名の経営や事務が出てくるのは自然な流れ。
もちろん、逆もある。事務職がその経験を生かして教壇に立つ。この例は、かなり以前からいくらでもある。
ヨーロッパでは、そもそも事務などという専門職を置かずに、教員が助手を使いながら、すべてを行う。アメリカ型、ヨーロッパ型、日本型、どれでも良いのだろうが、そもそも事務とか教員とか区別せずに、適材適所が、良いのではないだろうか。教員と事務の間でも定期的に異動があってもなんら不思議ではない。民間企業で、研究者が営業に異動になっても、ニュースにはならない。
