中長期的な大学教育の在り方に関する第二次報告の素案が公表された。
この手の報告や大学の自己点検や第3者評価について見聞きするたびに疑問に思うのが、常に大学側の視点でしか語られないことだ。そこで学ぶ学生や入学希望者、もっと言えば、国民の視点がまったくない。大学が自らの質を向上させようという姿勢は良いことではあるが、自己満足に陥ってはいないだろうか。
車を買うときに、ユーザーは、燃費のいい車とか、早く走れるとか、家族全員が乗れるとか、荷物がいっぱい積めるとか、それぞれの好みで選ぶ。ハイブリッド車とスポーツカーを比べて買う人は稀だろう。燃費で選ぶとなれば、ガソリン1リッターあたりで何キロ走れるかと比べる基準が必要となる。加速度やトランク容量でもしかり。
何をいいたいかと言えば、大学もカテゴリがあって、留学生を積極に受け入れたり、海外の大学院進学を念頭に入れる大学であれば、国際的な基準も必要だろうが、国内しか視野にいれていなければ必要ない。研究重視の大学があれば、実務教育重視の大学のある。女子大があれば、社会人向けの大学もある。学部も特殊な学部だけの単科大学もあれば、総合大学もある。これらの大学をいっしょくたにして計ろうとするところに無理がある。入学希望者は、一定のカテゴリの中から志望校を選ぶのではないだろうか。
また、どのような大学が良い大学かは国民が決めることであり、大学自身が決めても意味がない。国民が比較しやすいように、共通の指標を示すことが重要だ。学生数1つとっても、定義がない。休学中を含めるのか、学費を未納の場合はどうか、科目等履修生や聴講生も含めるのかなど、明確な基準はない。まして、卒業率や就職率、成績の評価、図書館の蔵書数など、いくらでも都合のいい数字が作れる。
国民に分かりやすい形で情報を提供することが大学の質向上につながる。車やパソコンのパンフレットを見比べれば、少なくとも性能の比較は客観的に可能である。大学のパンフレットの書かれている数字は、どれひとつとして比較して意味のある数字がないのが現状ではないだろうか。

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