FREE

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「FREE(クリス・アンダーソン著)」という本が売れているというので読んでみた。デジタルなものは無料化する、無料でも利益は出る、無料化の時代にどう対応すれば良いか、などを記した本なのだが、この本には書いていないことに踏み込んで考えてみた。

今の経済状況が続けば、残業はなく、ワークシェアやパートタイムで働く人が増える。すると「FREE(自由な)」な時間が増える。しかも、物質的に豊かなになった日本では、贅沢な物を手に入れるために信念を捨てて働くより、自己実現のために「FREE(対価を求めず)」に、その自由な時間を使う人が出てくる。それは趣味かも知れないが、ボランティアや奉仕活動かも知れない。

また、社会起業家という言葉が広がりつつあるように、企業も必ずしも収益のみを目的とせず、社会貢献を目的とするようになるかも知れない。これは、株主の意識の問題で、株主が配当よりも社会貢献を目的として株を保有することを意味する。

このような企業は、社会貢献を継続的に実現するための利益は必要だが、その源泉はFREEな労働力かも知れない。そうなると、たとえ、一般的な企業といえども、給料の額で従業員のモチベーションを維持しようとすることは難しくなる。自己実現が可能であれば、彼らは生活に必要な給料を稼ぐ時間以外はFREEで提供する。そういう人材を生かせる企業でないと生き残れない時代が来るような気がしてきた。

オープンソースと言われるFREEのソフトウェアが広範囲に使われている。この仕組みがソフトウェア以外にも広がるのだろう。もちろん、NPOや公益法人という仕組みも存在する。しかし、NPOでは大きな事業はできない。公益法人ではガバナンスの仕組みが不十分な上に、大きな資金を集めるのは難しい。株式会社であれば、出資した人が株主の立場で運営を監視した上で、自らもFREEの立場で活動に参加することもできる。収益を目的としない会社なので配当やキャピタルゲインは期待できないかも知れないが、換金性はある。日本のように寄付のメリットが少ない税制下では寄付よりは集まりやすいのではないだろうか。

既存の企業がこのような仕組みに変わるのは難しいだろう。新たに生まれるこのような仕組みの企業が既存企業に取って代わる。FREEな商品やサービスが増えることで、統計上はデフレになり経済規模は縮小したように見えるかも知れない。しかし、お金のためではなく、自己実現のために自分の時間をFREEに使える社会は、いまより良い社会に思える。

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Profile

和田 公人
昭和35年3月1日生まれ
奈良県出身、神奈川県在住
立命館大学卒業(経営学部)
桜美林大学院修了(大学アドミニストレータ専攻)
学校法人八洲学園 理事長
学校運営機構株式会社 取締役
 インターネット家庭教師事業   「東大ダイレクト」
株式会社SOBAエデュケーション 取締役
株式会社デジタル・ナレッジ・ユニバーシティ・ラーニング 取締役
「和田公人の学校の作り方」(Blog)
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このブログ記事について

このページは、wadaが2010年2月 6日 09:26に書いたブログ記事です。

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