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2006年5月 アーカイブ

2006年5月 7日

入学式

2006年春学期ご入学の皆様、おめでとうございます。

少し、時期の遅れた入学式で、桜並木を通り・・・というのとは異なりますが、緑が深まるこの時期の入学式も良いものですね。
昨日は、ネット参加を含む新入生と在校生と教職員が一同に会すことができました。直接お顔を拝見できるのは、教員にとっても嬉しいものです。

学生時代の長かった私が常々言われていた言葉があります。「高等教育機関は、時代の先端を行く先生達が集まっていて、そこから新しいことが始まっているんだよ。そこに身を置けることに感謝して、頑張りなさい!」と。

八洲学園大学は、日本で唯一の「家庭教育」を学べる大学であり、e-learningの先駆け的な取り組みでもあります。素晴らしい先生方と共に教鞭を取れることを嬉しく思っています。

皆さんの八洲学園大学での学生生活が実りあるものでありますように。そして、高等教育機関に身を置く者として、社会の先端を担っているという自覚をお忘れない様、ここにお祝い致します。

2006年5月21日

ボランティアと開発と持続可能な私たちの地球

懐かしい未来へ」の著者ヘレナ・ノーバーグ(言語学者)を招いて明治学院大学で開催されたシンポジウム「未来は変えられる:経済グローバル化を越えて」に行ってきました。

彼女は、インド北部に位置するラダックという地域と長年関わってきました。その中で、今の世界の潮流にあるグローバル化が、いかに人々の意識まで変革させてきたのかを目の当たりにされました。特にラダックの若い人々が、「自分たちは言語(ここでは、世界スタンダードといわれている英語を指す)も話せない、自分たちの文化も醜いものだ」と話したことに驚いたそうです。これは、ラダックの人々だけでなく、私たち日本人の若者にも通じることではないでしょうか?英語が話せない、スポーツの大手メーカーや大手ファーストフードを良しとして、アメリカナイズドされていないでしょうか?
お金がないと生きていけない。お金や富を得ることが成功、そして幸せ。そのために、いい大学に入って、いい会社にはいることを目指して受験戦争という波に乗せられいる。メディアが発信する情報に左右されている私たちの社会。少し見直す必要があるのではないでしょうか。

こうした現状に対する彼女のサジェスチョンは、
・「経済リテラシー」を身につけること
 経済リテラシーとはつまり、現在の経済システムや経済構造についての知識。それらを知るということ。今の世の中のほとんどが経済や政治によって動かされています。どういうシステムで、今の現状があるのかを理解する能力が必要だと言います。
・グローバルからローカルへ
 経済によってグローバル化される今だからこそ、ローカルな視点を身につけるべきだと言います。そのためには、食べ物・水・エネルギー・そしてお金、これらを考え直す必要があります。
・意識の変革
 物事を、今ある固定観念を取り払って、新たな視点で見る必要があります。
これらを有効に進める方法が、「教育」であるとも言っています。

社会が広がっていく中で、孤立していく人があまりにも多いことに気がつきます。グローバルになるからこそ、ローカルを見つめなおしていく必要があると私も感じています。「グローカル」という造語が数年前から言われだしたまさしくそれ!です。「Think globally, Act locally」。

先日私の授業(中学生のボランティア活動/ボランティア・文化体験活動育成)で講師に来ていただいたNPO法人地球村東京事務局長の植木氏が、「ボランティアとは生き方です」と仰いました。つまりこういうことです。その人の態度や振る舞いが結果的に他者からみるとボランティアをしていると見られます。人にとって、ちょっとした気遣いや心遣いはその人の生き方そのものである、ということです。
言葉とは時には厄介であります。特に人の動作や心の動きを表すとき、いくら大きなものでも、小さなものでも一つの言葉にに置き換わり、単語になった時点で、そこに含まれた心の動きや動作は、うまく修飾した言葉を使わない限り、伝わりません。では、どうやって伝えるのか。言葉じゃなくて、生き方そのもので伝えなければ伝わらないのです。

社会は人と人が作り上げています。法律や制度が人を変えるのではなく、人が法律や制度を変えられる社会にしたい。そのためには、自分から、そして自分の周りから変わらなければ。。。と感じています。

「ナイロビの蜂」

「ラダック」シンポジウムの後に、「ナイロビの蜂」という映画を鑑賞しました。

私は、国際協力研究科に籍を置き、国際協力について研究をしてきました。国連の教育開発の変遷をたどりながら、現在はカンボジアの教育開発を研究しています。また、実際にカンボジアに何度も足を運んで、カンボジアのノンフォーマル教育支援にも携わってきました。その中で、国連主導、日本政府主導(ODA)の開発と草の根で活動するNGOの活動のギャップも痛いほど感じました。

また、多くの疑問や矛盾を抱いてきました。世界は、富を得たい人が富を得られやすい、富がない人は富を得るアクセスすら持ち得ないシステムになっているじゃないか。本当に支援が必要な人たちに、本当に必要な支援が行き届いているのだろうか。この一分一秒の間に、世界中で飢えや貧困、戦争で尊い命を奪われるという現状の中、私たちに何ができるのか。そこに国益や利益が追随する支援活動がその後どういう影響を及ぼすのだろうか。と・・。

この映画は、はっきりいってラブストーリーです。ですが、その背景に、海外援助というテーマを通して、「動」と「静」、「グローバル社会」と「ローカル社会」、「善」と「悪」、「人道」と「利益」などの対比が描かれています。

映画のワンシーンで、体調の良くない奥さんを病院から家に車で送り届ける夫に、彼女は訴えます。40キロ先の自宅まで、亡くなった姉の生んだ赤ん坊を抱いて帰路に着く母と幼い弟を送り届けたい!と。外交官の夫は、「今、私が救わなければならないのは、この国の国民だ」と。彼女は、「だけど、今目の前にいるこの二人を救うことができるわ!」と。結局、夫は、「今救わなければならないのは、君だ」と、車を発進させます。目の前の「困っている2人」を救おうとする妻と、「困っている国民」と「妻」を救おうとする夫。

海外ボランティアをするにあたって、「『誰』を救おうとしているのか?!」を意識する必要があります。援助の世界では、「対象は誰なのか?」ということ。大きなお金が動くとき、その対象は、援助対象国の国民や、少数民族、女性や子どもであることが多いのですが、「費用対効果」を常に意識した支援が行われます(その割には、批判の対象になるような支援も少なくありませんが)。お金が国民の税金で支払われている支援である以上、国益に繋がる支援であることは現在の世界では仕方がないのかもしれません。ですが、人と人として接する時には、そういう時だからこそ、目の前の人を助けることって自然なことですよね。そういう気持ち、忘れたくないと私は思います。

ストーリーの中で、この妻は製薬会社の薬品開発にケニヤの国民が犠牲になっているという事実を突き止めます。(まだ、映画を見られていなかった方、ごめんなさい。)こういったことは、知られていませんが、現実にあることです。第一世界が第三世界を搾取しているという事実。私たちのライフスタイルによって、途上国の人々の生活を苦しめているという事実。世界はグローバル化し、依存度がどんどん高まってきています。そして、その多くが、先進国にとって利益を生むというシステムが経済や政治という名の下で正当化されている現状があります。

「世の中やっぱりお金か…」と現在の経済の流れをみて、思うことが多々あります。「お金」のために、弱い人たちが犠牲になるという事実が実際に多々あるからです。世界的に有名な企業がチャイルドレイバー(児童労働)を強いていた事実、南の国の人たちを治験に使うという事実、北の国に輸出するための農作物を育てている南の人たちが食べられなくて死んでいくという事実。

先日のヘレナさんのシンポジウムに参加して、彼女が訴えていたこと。「世の中の経済の流れを知ること、理解すること」。誰かが言っていました、「知ることがボランティアの始まりだ」と。日本国民として、地球号の一人の乗組員として、そして、コンシューマー(消費者)として、買い物一つでも、行動一つにでも、責任を持った人間になれるように、世界をもっともっと知りたいと願うばかりです。

開発やボランティアに興味があるという方は是非見てください。そして、ご感想をお聞かせいただければうれしく思います。

2006年5月25日

ブログを書くということ

ここのところ、著名人のブログに書いた内容が盗作であったり、犯罪擁護だと批判が寄せられたりと、個人の情報発信の場であるブログに対して、発信する本人が十分注意していないことが気になります。といって、私自身の内容がどうなのか、自己反省しながら、こういうことがない様に・・・と注意するばかりです。

ブログは、ネット上の公開日記と言われることが多い様に、個人が容易に情報発信をする場として爆発的にユーザーが拡大しました。一方で、不特定のネットユーザーの目に留まることを好まない人たち、また異なる目的で多く使用されている「ソーシャルネットワーキング」のユーザーも増加しています。
総じて言えば、これまで、情報収集やメールの送受信が中心だったインターネット使用から、個人の情報発信の場として、出会いの場として、情報交換の場として、多様なインターネット使用へと変化してきたことが言えるでしょう。八洲学園大学でも、横浜にある大学の教室とみなさんのご家庭や事務所とをネットでつないで、相互のやり取りができる新たなシステムを導入して教育活動を展開しています。

話がそれましたが、私たち1日のうちでも相当な人とすれ違います。駅や電車で自分がたった一人ということはまずないでしょう。ネットでもこれと同じように、ブログには何のガードもなく、相当な人がアクセスする可能性があるわけです。日常の生活の中で、自己の責任において行動しているように、ネット上でのブログも自己の責任において情報を発信していかなければ、と改めて感じました。

2006年5月31日

インドネシア・ジャワ島中部における地震災害

5月27日午前5時54分(日本時間午前7時54分)頃、インドネシアのジャワ島中部のジョグ・ジャカルタ市沖合でマグニチュード6.2の地震が発生しました。

日本政府の発表によると…

1.5月27日朝(現地時間)、インドネシアのジャワ島中部で発生した地震では、これまでに、ジョグジャカルタ特別州のジョグジャカルタ市、クロンプロゴ県、スレマン県及びバントゥル県、並びに中部ジャワ州のクラテン県及びボヨラリ県などで、合わせて5千人を超す死者及び7千人を超す負傷者並びに約13万の被災者がでている模様です。

2.被災地では、電気、通信及び交通網などのインフラが壊滅的被害を受けたほか、医薬品、食料及び飲料水などの確保が困難な状況にあります。

3.このため、今後インフラの回復や医薬品の供給が遅れた場合には、飲料水などを介して感染するコレラ、肝炎、腸チフス、細菌性赤痢及び蚊やその他の虫を介して感染するマラリア、デング熱などの感染症が発生するおそれがあります。(以下省略)


救援活動は被災直後より72時間がとても重要となります。これを超えると救命率が著しく低下すると言われているからです。被災から5日経ち、31日に時事通信が伝えた被災内容は、「地震により全壊または半壊した家屋が10万軒、損壊した家屋も加えると被害は16万軒、家を失った被災者は65万人近く、死者は5846人に達している」とのことです。今後、これらの数字が増えることは明白です。

各国政府からは、支援物資や緊急支援が届いており、日本政府からもすでに国際緊急援助チームが派遣されており、インドネシア政府の要請により自衛隊の医療チームの派遣も行う予定です(31日現在)。当初、肝心の現地自治体による支援体制が十分でなく、支援物資が支援を必要とする人たちに届かないといった状況が続いたことから、現地の人たちの苛立ちやあせりは大変なことだと思います。

緊急医療支援をしているAMDAの的野氏によると、国際緊急人道援助を行うにあたって、次の4つの指針が不可欠だと指摘しています。(「国際協力の地平−21世紀に生きる若者へのメッセージ」NGO活動教育研究センター編、昭和堂、2001年)
1、救援活動の迅速化:いかに早く救援活動を展開できるか
2、救援ニーズの把握:現場で何が必要となっているかを把握すること
3、現地主義の徹底:地域の文化、宗教、習慣などの価値観に即した活動の展開
4、後方支援体制の整備:人的、経済的、技術的なサポート

ふと、私にできることって何だろう・・・と考えました。現地に行くことだろうか。いやいや、専門性のない私よりも医療や緊急援助に長けた人が行く方がよっぽど効果的だ。では、被災地から離れた横浜の地で被災が拡大しないように祈ることだろうか。祈るだけでは、拡大は防げない。では・・・。当たり前のことで、普通の様ですが、「募金」は私が考えたこの2点をカバーしてくれました。専門家の派遣、現場のニーズに応じた物資の支援、そして、自分の祈りが形となります。つまり、的野氏の指摘する4番目の後方支援なのです。

ただ、私一人の祈りと募金では、あまりにも小さすぎます。W先生にアドバイスを頂き、八洲学園大学の教職員に書面と口頭で私の願いをお伝えしたところ、「さすが!」「ここで仕事ができてよかった!」と思える素晴らしい反応を学長をはじめとするたくさんの先生方から頂きました。来週には、民間団体を通じて医療援助の一部として現地に届くことになるでしょう。

インドネシアは、日本と友好的な関係にあります。また、ジャワといえば観光地としても多くの日本人観光客が訪れる場所です。ただ、それだけではなく、同じ震災被害という悩みを持つ私たちがインドネシアの被災を他人事としてすますことはできませんし、目の前に、TVや新聞などのメディアを前に、明らかに支援を必要としている人たちがいるのを見過ごすことはできません。個人レベルでいえば、インドネシアから留学生として日本に留学していた友人たちの安否も心配です。

いづれにしても、ただただ亡くなられた方々のご冥福を祈り、被災が広がらないように祈りながら、私にできることを少しでも多くの人たちに広げていくことが、私の今の使命だと思っています。

「私たちにとってはボランティアであっても、それを待っている現地の人々が直面しているのは彼等の死活問題なのだ。」(的野氏)
一人でも多くの被災者に、一円でも多くの支援が届きますように。皆様の暖かい祈りを現地にお届けください。

<募金情報>
・支援団体による現地活動や募金受け付け情報
Yahoo Japan Volunteer  
・その他
UNICEF 
日本赤十字 
など

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