« 2006年5月 | メイン | 2006年7月 »

2006年6月 アーカイブ

2006年6月 9日

ジャワ島被災者への義捐金

先週、八洲学園大学の教職員の皆様に「ジャワ島被災者への募金」を呼びかけました。といっても、組織的なものではなく、私が個人的に募金をしようと思ったところ、ふと、「一人で募金をするよりも、他の方々と一緒に送ったほうが多く送ることができるんじゃないか」と考え、突発的に「じゃあ、先生方に呼びかけてみよう・・」と呼びかけたものです。

集まった金額は、短い期間での呼びかけにもかかわらず、
102,857円にも上りました。それ以上に、うれしかったのは、先生方や教職員の方々の反応でした。私一人の力はあまりにも微力ですが、賛同してくださった先生方や教職員の方々の力や気持ちは、とても大きく、力強く感じました。

今回集まった義捐金は、岡山に本部を置く、医療支援をしているAMDAに届けました。AMDAを選んだ理由としては、日本の民間団体であること、そして、被災直後の支援として医療支援ははずせないことがあげられます。今後継続的な募金となれば、教育分野、子ども分野への貢献へと移行する必要があるかと思います。

AMDAは、地震の翌日の5月28日に医師21名(日本・インドネシア・マレーシア・ネパール・フィリピン・カンボジア)、看護師6名(日本・インドネシア・カナダ)、調整員8名(日本・インドネシア)を派遣し、以下の3箇所で活動をスタートしました。

1.プランバナン(中部ジャワ州クラテン県プランバナン郡)周辺の村々で巡回診療・プランバナン診療センターでの診療 (AMDAインドネシア、日本、マレーシア、ネパール、カンボジアの各チーム)
2.スハルソ国立整形外科病院(ソロ市)で、緊急手術・治療・ICUでの重症患者ケア (AMDAインドネシア、カナダ、フィリピンの各チーム)
3.サルジト国立病院(ジョグジャカルタ市)で、緊急手術・治療 (AMDAインドネシアチーム)

b.JPG
「巡回診療を行う日本人医師」(写真提供:AMDA)

c.JPG
「巡回診療を行う日本人看護師」(写真提供:AMDA)

現在の活動の様子は、AMDAから送っていただいた「速報」で窺うことができます。
AMDA多国籍医師団は、3日夜にカナダチームが、4日朝にフィリピンチームがそれぞれソロ市に到着してインドネシアチームに合流し、4日からスハルソ国立整形外科病院(ソロ市)での手術及び治療に従事している他、本日7日にはカンボジアチームがプランバナンに到着し、明日から巡回診療チームに合流する。また、3日に合流した谷口調整員と梶田調整員は、ソロ市内に新たな拠点を構え、スハルソ国立整形外科病院でのAMDA多国籍医師団による活動の後方支援調整業務を行っている。一方、5月30日から現地で活動していたマレーシアチームの医師2人が診療活動を終え、5日に帰国の途に就いた。
 本日7日、プランバナンを拠点とする巡回診療チームは、インドネシア政府による子ども達への“はしかワクチンキャンペーン”(WHO・UNICEF支援)に同行。ブトウ村にて47人、タンカラセンベン村にて50人の子ども達へのワクチン接種(はしか及び破傷風)に併せて巡回診療を行うと共に、大人の外来患者に対しても診療を実施した。骨折、内出血や裂傷等の外科患者が中心であったが、これらの患者が発熱等を併発していることが多く、並行して内科診療と服薬指導を実施した。
 また、サルジト国立病院(ジョグジャカルタ市)では、通常の患者数が200人前後のところ、地震発生後の5日間で6千人以上の患者が来院しており、AMDAインドネシアチームの医師らが治療に当たっている。
 スハルソ国立整形外科病院では、昨日6日は25件の手術を行った。地震による負傷者を収容する病室が週明けの5日になっても依然として不足しており、廊下にまでベッドが並べられている。AMDA多国籍医師団は2つのチームに分かれ、手術を終えて入院している患者の治療やICU病棟での重症患者のケアなどを行っている。今後の災害対応について、同病院の病院長は、「このような地震災害を想定した、緊急医療設備の充実と、病院で働く医師や看護師へのトレーニングを含めた人材育成について、今後もAMDAと連携していきたい」と述べている。

(速報:AMDA提供)

AMDAの活動をHPで見て、素晴しいと感じたことは、途上国と呼ばれる国が途上国と呼ばれる国を支援する南南協力が行われていることです。特に、カンボジアから医師が派遣されていることに、カンボジア研究をしている私としては、とても誇りに思えました。

a.JPG
「巡回診療」(写真提供:AMDA)


南南協力は、同じ発展を辿ってきた途上国にしか分からない点をカバーできることで、重要視されてきています(詳しくは、UNDPのHPを参照ください)。開発支援は先進国が主導で行ってきました。一方的な支援によって支援漬けと呼ばれるような支援依存の国を生み出してきたのも事実です。見えない意図でもって、多くの途上国が経済発展を目指すように、多くの途上国が西洋化・近代化を目指すように促してきたのも事実です。そして、いくら途上国が頑張って経済発展を遂げようとしても、先進国の利益になるような仕組みがあり、途上国の人々が搾取されているという現状があるのも事実です。

国際協力を学んで、アジアの国々を見て、そして世界の国々の現状を知って、それらがいかに自分の生活と密接につながっているのかを痛感しています。割り箸ひとつとっても、中国の森林伐採→砂漠化を生み出していますし、便利な車も多くの二酸化炭素を排出しています。ストリクトになる必要はありませんが、身の回りのひとつひとつできることから始めています。マイ箸、エコバック、風呂敷でおしゃれも楽しめます。限られた資源を一人でも多くの人たちと浪費するのではなく、シェアできるように、私は、「エコかっこいい」を目指したいなと思っています。

ずいぶんそれた話を元に戻しますが、今回の義捐金は、医薬品や救援物資の調達に有効に活用してくださるとのことです。AMDAをはじめとする現地での被災者支援の団体の活躍に期待したいと思います。そして、一日も早く衣食住を充実させることができますよう、祈っています。。

d.JPG
「倒壊した家屋」(写真提供:AMDA)

AMDAでは、現在も募金を受け付けているそうです。
郵便振替:口座番号01250-2-40709 口座名「AMDA」 *通信欄に「ジャワ島中部地震」と記入
また、そのほかにもさまざまな民間支援団体が支援活動を実施していますので、こちらもご参照ください。
<募金情報>
NGO network Japan
NGO arena
・支援団体による現地活動や募金受け付け情報
Yahoo Japan Volunteer  
・その他
UNICEF 
日本赤十字 
など

2006年6月18日

キャンドルナイト

もうすぐ夏至です。夏至は、ご存知の通り、一年で最も昼の時間が長くなる日です。といっても、24時間が長くなるというわけではなく、太陽が最も北に来るため、日照時間が長くなるということです。ただ、梅雨の真っ最中なので、太陽は隠れていることが多いのですが・・・。

そんな夏至と冬至の夜に、夜8時から10時までの2時間、いつも使っている電気を消して、キャンドルの灯火の下でスローな時間を過ごしましょう・・・というコンセプトで、2003年に始まったのがキャンドルナイトです。毎年全国各地で様々なイベントが行われています。各地でイベントが行われていますが、個人で自分の家の中で行うのもキャンドルナイトです。(財団法人環境情報普及センターでは、「ブラックイルミネーション2006」としてエコロジーの観点から電気を消しましょうという啓蒙を行っています。)

「スロー」という言葉は、「ファースト」に対する言葉として使われています。もともと、アメリカで主流のファーストフードに対して、食という時間を大切に、素材にこだわって、身体にも心にも優しい食ということで、「スローフード」という言葉が提唱されました。「スローライフ」も、現代の忙しい私達の日常の中で、生活を見直すために提唱されました。現在は、自分達だけではなく、環境や未来の地球を考慮した、LOHAS(=Life style Of Helth and Sastainability)というキーワードが主流です。

イタリアで生まれたスローフードに対して、LOHASというライフスタイルはアメリカで生まれ、アメリカの中産階級以上の人達の中で広がっています。例えば、マドンナは、マクロビオティックやヨガやピラティスを取り入れ、健康に気を使っていると報道されていますね。LOHASでは、場合によってはお金が掛かることもあり、日本でも影響を受けている層は高所得者が多いと言われています。

じゃあ、どんな生活がLOHASなの?と言われると、これといった定義がないのが実状です。というのも、心と身体に良いものを、そして、健康で、さらに、持続可能性を考慮に入れたライフスタイル・・・といっても、色々ありますよね。具体例を挙げると、食べ物に関しては、有機野菜や化学添加物の少ない食品を選ぶ、マクロビオティックを中心とした食を採る、健康に関しては、運動、食育、医学についても気に掛ける、そして、持続可能性に関しては、地球環境に負荷を掛けない消費を行うなどを意識したライフスタイル、といえば、わかりやすいでしょうか。先に述べた「お金が掛かる」というのは、都市部で無農薬・有機野菜はスーパーでもとりわけ高値で売られていること、それから、日本ではまだエコロジーに関しては発展途上であり、エコロジーに関する商品がまだまだ高価なものだからです。

エコロジーについて日本が発展途上だと痛感するのは、エコロジーという行為が楽しみの対象として広く浸透していないことにあります。「○○しなければならない」といった行動に制限されるものとして捉えられることが多い日本のエコ事情があります。LOHASでは、エコは行動を制限するものではなく、楽しみながら、お洒落にというコンセプトが含まれています。よく聞く言葉ですが、「エゴからエコへ」。これは、どうせ、するならエゴでなくエコを意識してというものです。例えば、移動するなら、二酸化炭素を排出する車より自転車を・・・。といったように。総じて言えば、自分達の生活を心地よく、かといって環境や健康に無関心というわけではなく、健康に気をつけて、未来の地球のために環境にも気を使って、生活を楽しもうということです。

私達の生活は余りにも便利になりすぎました。それ自体は悪いことではありませんが、時間を労力を減らすために便利になったはずなのに、どんどん忙しくなっています。まるで、生活することが仕事をすることであるかのように・・・。また、便利なモノに依存するあまり、心の通じない人間関係を生んでいることにも気がつきます。生きることは、もちろん大変ですが、とっても楽しいことなんです。ライフスタイルを見直すことで、もっと楽しく過ごせれるかもしれません。そんな願いを込めて、私はLOHASをいい意味で捉えています(LOHAS談義はまたの機会に・・・)。

話はキャンドルナイトに戻りますが、世界中の電力のうち、先進国に住む私達が使っている電力が大半を占めます。これは、NASAからの私達が暮らす地球の夜を映し出した写真です(「お茶の間から世界を変えよう」HPよりリンク)
キャンドルナイトは、単にスローを打ち出しているだけでなく、環境をも考えようとするある意味啓蒙的なイベントでもあります。年々、徐々に広がり、東京タワーのライトダウン、江ノ島の灯台もライトダウンするのです。これに賛同する企業がもっともっと増えて、エネルギーの消費量の高い大きな組織が環境を考えるようになれば・・・と願うばかりです。(「ライトダウンキャンペーン」への賛同企業は、こちらで確認することができます。)

キャンドルナイトの実施される夏至の夜、日本の明かりが減りますように、そして電気を自由に使える現状に感謝しながら、自分の子ども達に残す地球を少しでも大切にできますように・・・。21日の夏至の夜、電気を消して、スローな夜をお楽しみください。

candle night1.JPG

2006年6月27日

学会

週末は、比較教育学会の参加のため、広島大学に行ってきました。

岡山で育った私にとっては広島県は隣の県でもあり、私を育ててくれた高校には広島からの生徒もたくさんいましたので、とても懐かしく意気揚々とプランをたてました。広島大学は東広島に位置しており、なかなか緑が美しいところです。飛行機から降り立ち、バスと電車に揺られて車窓から望む風景は「中国地方」ならではのとてものどかなものでした。

この学会には、私の神戸時代の先生方や先輩、仲間も参加しており、プチ同窓会(少なくとも私にとっては)の様に懐かしさを覚えました。グアテマラから学会のために駆けつけた方もいて、神戸でも会えない方に会うことができて楽しい時間をすごすことができました。

肝心の私の発表ですが、今回は、「初等教育の学校参加をめぐる地域住民の意識に関する一考察 -カンボジアのカンダール州を事例にして−」についてでした。

カンボジアでは2000年以降のアジア開発銀行が主導している教育改革の中で、地域コミュニティと学校との連携などと明文化し、推進しています。ところが、こういった地域が学校教育へ参加するといったことは、カンボジアでは新しい取り組みではなく、以前から地域の寺を通してしてきたことなのです。学校運営への地域参加というレベルではありませんが、主にファンドライジング(寄付)を中心とした参加が行われてきました。カンボジアでは、(古くからあったけど、コンセプトの異なる)新たな取り組みとしていかに地域を巻き込んでいけるか・・・ということが課題となっていますが、その前に、当の地域住民が参加についてどういう意識を持っているのか明らかにしたのが今回の発表内容でした。

私たちの部会は、「教育と開発」で、教育開発を研究している研究者の発表が中心でした。私の後の発表は、同じくカンボジアで、私と同じ研究室の先輩でした。最初から来た人は、カンボジアの小学校について嫌でも知ることになったわけです。先輩と共に、今後の研究へのアドバイスをもらい、意義のある発表になりました。

学会自体もとても楽しく過ごすことができ、また、広島という地で、広島の方言、広島の広島焼き、広島の人たちの人懐っこさを感じました。岡山で育った私にとってはとても懐かしい、心暖かい週末になりました。

About 2006年6月

2006年6月にブログ「江田英里香の研究室便り」に投稿されたすべてのエントリです。新しい順に並んでいます。

前のアーカイブは2006年5月です。

次のアーカイブは2006年7月です。

他にも多くのエントリがあります。メインページアーカイブページも見てください。

Powered by
Movable Type