江戸しぐさと子育て
先週末、「日本家庭教育学会第24回大会」が倫理文化センターで開催されました。
大会テーマは、「躾に生かそう"江戸しぐさ"」で、基調講演はNPO法人江戸しぐさ理事長の越川禮子先生からお話を伺うことができました。
講演内容は、ここでは割愛いたしますが、非常に興味深い内容でした。
実は、江戸から学ぶことはしぐさやマナーだけではなく、現代のボランティア活動にも通じることがあります。江戸の一日は、「朝飯前」の近所への御挨拶、「使役」すなわち労働、「傍楽(はたらく)」すなわち働くこと、そして、「明日備」明日に備えるための遊び、とされたそうです(越川先生講演会資料より)。この「傍楽」=働くことが今でいうボランティアであり、江戸の人々はこの活動を積極的にしていたそうです。
日本には、「ボランティア」という概念を示す適切な日本語がなかったことからvolunteerをそのまま外来語として使っています。しかしながら、ボランティアという行動そのものは、江戸時代からあり、特に江戸時代には活発に行われていました。
なぜ江戸でそのような活動が活発に行われていたかといいますと・・・・・・ここからは、是非私の「ボランティア論(スクーリング)」を受講してください。(と、宣伝しておく・・・)
話が中途半端になりましたが、江戸の時代は非常にコミュニティのつながりが強い時代でありました。狭い江戸の町で暮らすためには、平和な人付き合いが基本とされました。例えば、江戸しぐさのひとつに「腰浮かせ」というものがあります。渡し舟に乗る際に、後から乗ってきた人のために、前に乗った人達がそれぞれ拳ひとつ分、腰を浮かせてスペースをとるという小さな気遣いです。少し前に公共広告機構のCMで、この腰浮かせを今の電車でのマナーにと謳っていたのは記憶に新しいと思います。
江戸の町は地域のつながりが非常に濃厚で、だからこそ、平和な人付き合いが必要とされ、また、人の目を気にする必要があったのでしょう。
今、公共マナーについて私たち日本人は非常に恥ずべき状況にあります。電車で化粧、ごみのポイ捨て、地べたであぐら、邪魔な仁王立ち、等、これらは、地域のつながりが弱く、自分の家族や友人は自分の大切な人として大事にするが、それ以外の人達とは関係性がないから、そういう人が不快に思おうが、自分がその人達にどう思われようが関係ないないという考えからくるものだと思います。これは、まさに、江戸と現代の人間関係の距離や濃さの相違を表していると思います。
私たちの社会をよりよくしていくために、ご先祖様のお知恵を拝借したいものです。