「塙武郎の研究室便り」ブログも開設から5年が経ちましたが、今回は、過去最大のサプライズをお知らせすることになりました。

その日、私はイーストハーレムにある公立小学校を訪問し、スミス校長先生とのディスカッションをしていました。すると、校長先生が「今ちょうどある有名な先生が授業に来たから紹介してあげる」と言い出したのです。


その有名な先生とは・・・・。


そう言えば、NYのマンハッタンは数多くの映画の舞台になっています。その中でも今回の研究調査テーマに関わるものがあります。

それは、映画『ミュージック・オブ・ハート』です。主演は、女優のメリル・ストリープ(2000年アカデミー賞受賞)。

この『ミュージック・オブ・ハート』という映画は、実話です。
NYマンハッタンのイーストハーレム地区(貧困地区)の公立学校でバイオリンの音楽教員を勤める女性が音楽を通じて生徒達に希望を与えるという実話です。主演女優メリル・ストリープが演じるのはバイオリンの音楽教員、ロベルタ・ガスパーリ先生です。


なんと、校長先生が私に紹介してくれる有名人とは、このロベルタ先生です!


校長室から廊下に出ると、目の前にロベルタ先生が立ってます。コーディネータの補助教員が私のことをロベルタ先生に伝えてくれていたようで、ロベルタ先生の方から気さくに"Hello! Nice to meet you."と言って、拍手を求めてくださいました。

アメリカ研究してて良かった。
感動の瞬間でした。


校長先生とロベルタ先生が、授業の様子を見学させてくれるというので、さっそくロベルタ先生と一緒に音楽教室へ移動。授業が始まりました。
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バイオリンや音楽と言うよりも、「規律」を教えているように感じました。
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恥ずかしながら、ロベルタ先生と生徒達と一緒に。
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とにかく気さくな方でした。
ロベルタ先生の教育方針は、「自尊心」(self-confidence)を磨くこと、だそうです。


前のブログでも書きましたが、2月27日から研究調査でニューヨークに来ています。

本シリーズ・アーカイブはこちらへ。

今回の調査研究テーマは、「アメリカ大都市学校区の債券発行と証券市場との関係」ですが、その基礎的な調査として、ニューヨーク市内の公立学校での資本改善事業計画(Capital Improvement Projects)の実施状況調査、ヒアリングです。この他にも、学校区の財務部での資料収集もあります。

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(写真: 今回の調査対象の一つ、セントラル・パーク・イースト公立学校。)


アメリカの地方財政、とくに教育財政は学校区ごとの地方分権的な仕組みをベースとしている
ので、学校区の自立と自律には目を見張るものがあります。学校区の財務部の担当者はみな、専門的な知識と責任を積極的にテイクしようとする姿勢があります。

ですから、ディスカッションすると必ず最後に担当者は個人の意見を熱心に語ります。そしてその専門的な知識を納税者に平易に説明し、資本事業計画や債券発行の決議(resolution)に導く努力をします。


ところが、自立と自律の志しとは無関係に、経済不況や財政難が襲ってきます。人間は、様々なクライシスに対して専門知識と経験をもって対処しますが、しかし人間の知識や経験だけではグローバル化した経済不況に伴う財政難を食い止めるのは容易ではありません。

そこで、学校区は自主財源以外に外部から財源を調達します。債券発行は、その主要な手段となっていますが、しかしこの証券市場こそ誠にグルーバル化した存在であって、一連のサブプライムローン問題では、基金を州に預けて運用を行っていた学校区が州の判断によって資金凍結にあい教員給与が支払えないという事態が起きました。

この時は、学校区は急遽、地元の地域金融から借入れて教員給与を支払ったとの報告書を読みました。それ以後、学校区は疑心暗鬼になっています。ここNYはそうしたサブプライムローン問題の震源地であったゆえに、新たな対応策も実践されています。

それが、NPO等と公立学校との「公民パートナーシップ」による財源調達です。これは、公立学校での音楽、美術、ダンス、演劇など芸術科目で急速に進んでいます。今回の研究調査でも、「公民パートナーシップ」に注目しています。

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(写真: 「公民パートナーシップ」で設置されたことを示すボード)


私は以前、学校区による債券発行、証券市場との緊張関係について、2007年の論文「シカゴ市学校区の債券発行の枠組み」(渋谷博史・秋山義則・前田高志編『アメリカの州・地方債』日本経済評論社)を著しました。

同論文の執筆時に、やはり証券市場だけでは財源不足を補完しきれない部分があるという現実を十分知っていましたが、ひとまず考察から捨象しました。証券市場から信用を得られない、自主財源に乏しい学校区はどうしているのか、という問題意識です。

「公民パートナーシップ」は結局、民間寄付金(企業、個人)を得たNPOが政府部門(ここでは公立学校)に様々な形で資金提供して資本改善事業をサポートすることです。

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(写真: パートナーシップを得て建設した校舎横に設置されたグラウンドの様子)


皮肉にも、NYの公立学校に公民パートナーシップを進めざるを得ないのは、それだけ教育を取り巻く財政難が深刻であるからです。昨日の地元テレビ番組でも、次年度の公立学校の特殊教育(special education)の予算削減のニュースが報じられました。

2008年の夏、研究調査でニューヨークを訪問してから2年半ほど経ちました。現在2011年3月初旬、再び研究調査でニューヨークに来ています。

NYに着いたその翌日からすでに10か所以上のアポイントメントをこなしています。今日もNY北部郊外にある地域、White PlainsというNY有数の富裕地域へ行きます。

さて、NYマンハッタンのど真ん中といってよいグランドセントラル駅近くのアパートメントホテルに宿泊しておりますが、このグランドセントラル駅は、「グローバルな世界」です。人種、民族、職業、学歴、言語、居住区、そして所得のあらゆる面で多様な人々が利用する場所です。もちろん観光客もいます。

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私は講義で学生に、「NYグランドセントラル駅へ行く機会があれば、そこに30分間黙って通行人の様子を見てごらん。」と言ったことがありますが、気がつけば、つい自分がその行動をしていました。

通行人の中で、最も目立った動きの一つが、Metro-Northと呼ばれるNY北部郊外へ路線を張り巡らせる列車に乗り込もうとする人々です。Metro-Northはいわゆる大都市NYの公共交通システムを担うもので、その乗客の多くは北部の比較的富裕な地域に住む白人層です。夕方6時前、足早にトラック(プラットフォームのこと)へ向かう彼らの姿に目を引きます。この中には、あのWall Streetで働くブローカーもいることでしょう。

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グローバル社会「グランドセントラル駅」に身を置きながら、色々と想像しつつ、写真を撮ってみました。

2月26日(土)午後2時より本学で開催されました、「第1回 税理士になるフォーラム」が盛況のうち終了しました。一般の方を含め多数のお申込み、ご来場いただきありがとうございました。

河野惟隆先生(帝京大学経済学部教授、本学非常勤講師)に基調講演をお願いした後、白庄司英明税理士、杉山靖彦税理士に加わって頂き、その上でアットホームな雰囲気の中でパネル討論・質疑応答を行いました。時間管理、勉強の工夫、一時の赤字は我慢などなど、貴重なご助言がたくさん得ることができました。

会場に来場された一般の方、卒業生が終了後、熱心にパネラーの税理士の方に質問をされる光景もあり、実に実りのあったフォーラムでした。御好評により今後もシリーズ化して開催する予定です。

今回お申込みいただいた方すべてに、終了後1週間に限り、オンデマンド(完全収録)を視聴できるようになっておりますので、お持ちのID,PWでログインし、どうぞご利用になってください。


税理士の「受験資格」は、八洲学園大学で取得できます。本学は、働きながら学位取得と同時に、税理士を目指す方を支援しています。

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今回は、税理士の「受験資格」をご案内します。

税理士試験を受験するには、いわゆる「受験資格」が必要です。とはいっても、ハードルの高いものではなく、およそ開かれた水準になっています。
「税理士試験受験資格一覧表」(税理士法第5条関係抜粋)では、「学識」「資格」「職歴」「認定」の4分類に受験資格が設定されていて、このうち、八洲学園大学の学生さんが関係する代表的なものは、「学識」になると思います。

 その「学識」分類の一つに、「大学又は短大を卒業した者で右欄のいずれかに該当する者」となっており、その右欄は、



法律学又は経済学を主たる履修科目とする学部(法学部、経済学部、商学部、経営学部)・学校を卒業した者

上記以外の学部(文学部、工学部など)・学校を卒業した者で、法律学又は経済学に属する科目を1科目以上履修した者


となっています。
 八洲学園大学の学生さんの場合、後者に属します。上記、「法律学又は経済学に属する科目」にあたる、八洲学園大学での開講科目(代表例)をご紹介しますと、

 「経済学入門」
 「日本経済入門」
 「法学概論」
 「財政学」
 「地方財政」
 「法人税法(総論)」
 「法人税法(各論)」
 「消費税法」
 「相続税法」
 「税務と財務諸表」
 「株・保険・投資ファンド論」

があります。

詳細ぺージはこちらへ。 
「受験資格」を取得できる本学開設科目一覧

上記開講5科目のうち、1科目でも履修して、その成績証明書を用意すれば、税理士の「受験資格」が得られます。
詳しくは国税庁HPでご確認ください。

八洲学園大学・人間開発教育課程では、現役の税理士や、税法の専門家など、実務と理論の両面に柔軟に対応できる講師がおり、税理士等の資格取得を基礎から支援しております。

<関連リンク>
 「座談会 "実務エキスパート"に聞く」 
税財務・ファイナンシャルプランナー基礎スキルメニュー」科目一覧

新シリーズ「アメリカ南部を行く」の続編です。

同シリーズ・アーカイブはこちら

さて前回は、ミシシッピ州ジャクソン市役所を訪問しましたが、今回はミシシッピ州の州議会議事堂(State Capitol)を訪問してみましょう。この日も晴天です。

市役所を後にして、ほんの5~6ブロック離れた所にミシシッピ州議会議事堂があります。
議事堂の敷地内にある訪問者用駐車場にレンタカーを停めて、さっそく議事堂周辺を歩くことにしましょう。

見えました、これがミシシッピ州議会議事堂です。
この写真は、州上院本会議場サイドから撮っています。
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角度を変えて写真をもう一つ。。。(プロのカメラマンでも何でもありませんが・・・)
首都ワシントンにある連邦議会議事堂によく似たデザインです。
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明日は、いよいよ研究目的の一つ、州下院教育労働委員会のセッションがあります。そのセッションを傍聴したいと思います。

次回をお楽しみに。

アメリカでは、どんなに田舎の町へ行ってもケーブルテレビが配備されていることが多く、それが「まちづくり」の一環になっており、インフラとしての役割を果たしています。

例えば、地方議会や教育委員会での審議の様子がリアルタイムで放映され、夜中もその録画が流されています。

情報通信は、軍需から民需へ移転されることで、その便益が最大化される典型分野の一つですが、インターネットはその代表例であることは良く知られています。

日本にも、アメリカ的な発想でまちづくりをする自治体が存在します。福島県西会津町です。

西会津町には3年前から視察させていただいており、先日も再訪問しました。町職員や町民の方々と情報交換することができました。

インフラというのは、租税資金の投入で設置は容易ですが、その活用となると、難題です。それがインフラの特質かもしれません。西会津町を久々に訪問して、そう思いました。

ミシシッピ州の州都、ジャクソン市に着きました。

ニューオリンズ国際空港から車で3時間半で到着。 途中で休憩を入れたものの、成田からの17時間のフライトの後だけに疲労を隠せません。 でも、「インターステイト55号」を降りてジャクソン市内に入ると、不思議と疲労が薄れました。ホテルにチェックイン後、まだ午後3時だったので、市内を回ることにします。

アメリカの都市を訪問して、いつも最初に行く所は、役所と大学です。
まずジャクソン市役所へ行くことにしました。
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「アメリカ南部」は、奴隷制という歴史を有します。それは綿花やタバコなどプランテーション農業だけでなく、土木・建築などの領域にも及んでいました。例えば、このジャクソン市庁舎も当時、多くの奴隷によって建設されたものです。

確かに、市庁舎のメインエントランスに掲げられている案内ボードには、
「本庁舎は1846年から47年にかけて奴隷の労働力により手製レンガで建設された」
とあります。
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また南北戦争時には、
「本庁舎は、南軍(Confederate)、北軍(Union)を問わず負傷した兵士を救護する病院として活用された」 ともあります。
北軍による3度目にわたるジャクソン市への攻撃、放火、占領によって市は壊滅しました。 建物の多くが煙突(Chimney)だけを残しているその無残な姿から、「煙突の町」(chimneyville)のニックネームが付けられました。

幸いこのジャクソン市庁舎は、3度の戦禍から逃れることができました。逃れたのは、州知事公邸、州議会議事堂、そして市庁舎だけでした。今日では、19世紀中庸に建築された「歴史の証言者」として市が大切に保存していて、市議会の議場として活用されています。
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※姉妹シリーズ「アメリカの暮らしと地域づくり」アーカイブ


ニューオリンズから「インターステイト55号線」を北上して、2時間が経ちました。
相変わらず、"just straight"の退屈なドライブのなかで、唯一の楽しみは、「道路状況」を見ることです。

アメリカの道路の分類は、①連邦政府が管理する「インターステイト」(Interstate)、②「国道(US Highway)、③州が管理する「州道」(State Highway)、④カウンティなど地方自治体が管理する「カウンティ道」(County Highway)、⑤「一般道」(boulevard、avenue、street)となっています。

連邦が管理する「インターステイト」は、州や自治体が管理する道路に比べて道路状況が良いです。州や自治体は、多くの場合、「均衡財政」(balanced budget)と呼ばれるのですが、財源の許す範囲での予算を編成します。「入るをもって出ずを制す」のが、州や自治体の地方分権の基本原則という訳です。

もし新たな事業を行う場合は、"pay as you go"と一般に言いますが、必要となる財源を確実に確保する措置が求められます。

したがって道路建設のためだけに多額の起債を行うことは、州や自治体にとって自殺行為となります。また日本に比べて、道路建設を恒常的な「雇用対策」の手段にしたり、利益誘導や政争の具になることは少ないです。

ですから、オバマ政権による昨年からの「経済刺激策」(インフラ整備を中心とする大型の連邦補助金プログラム)は、州や自治体にとって「タナボタ」となりました。

今回、「インターステイト55号線」にも所々、道路補修の現場を発見しました。 これは左のレーンに「アスファルト舗装」を行っていますね。
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元来、日本の道路は「アスファルト舗装」が一般的ですが、アメリカのインターステイトは「コンクリート舗装」が基本なので、空港の滑走路のように、とても白く見えます。

アメリカの「コンクリート舗装」にする理由は、長期的な耐久性です。大型トレーラーが往来するのに耐えられるよう設計しています。ただしコンクリート舗装はアスファルト舗装よりもコストと時間がかかるのが難点です。連邦当局は部分的な道路補修をアスファルト舗装で済ませるケースが多いです。

コンクリート舗装と、アスファルト舗装とで、マダラ模様になっているところがあります。
この通り、インターステイト55号線でも発見しました。
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ジャクソン市まであと、1時間半のドライブです。

新シリーズでは、「アメリカ南部(Deep South)」をテーマに書いてみます。
※姉妹シリーズ「アメリカの暮らしと地域づくり」アーカイブ

私はいま、ミシシッピー州の州都、ジャクソン市にいます。

2月21日成田を発って、シカゴ経由でニューオリンズ空港へ。ユナイテッド航空の場合、ニューオリンズ行きの国内線は、夜9時半の便しかないので、シカゴ・オヘア空港(ハブ)で7時間も待たされます。

アメリカン航空やサウスウェスト航空ならもう少し乗継ぎが良いのですが。

翌朝、ニューオリンズ空港でレンタカーを借り、巨大ハリケーン「カトリーナ」ですっかり有名になった湿地帯を横目に、インターステイト10号線に乗って北上します。

乗って30分ほど経つと、インターステイト55号線とのジャンクションにぶつかり、55号線に乗り換えます。ここから出張の目的地ミシシッピー州ジャクソンへ向かって、とにかく真っすぐ。

just straight...

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アメリカ南部での道路建設や地域開発プログラムは、戦後、連邦政府がその主導役を担ってきました。それによって雇用や経済開発が促進されてきた戦後の歴史があります。

それでもアメリカ南部は、アメリカ全体で見れば高い失業率と低い教育・所得水準という経済問題が際立っています。

通称「ブラックベルト(Black Belt)」と呼ばれる南部地域の肥沃な土壌(黒土)は、ミシシッピー、アラバマの2州を中心としています。今でもアメリカ南部の基幹産業は農業。綿花栽培は、世界的にも有名です。

そんなことを考えながら、just straightのドライブは、まだ続きます。
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アメリカ南部への道は、始まったばかりです。