北海道の風土に良く似たオレゴン州。
たとえば州最大の都市ポートランド市の緯度は、たしかに札幌とほぼ同じ。
そんなオレゴン州で最大の大学街であるのが、ユージーン市(人口17万人)。オレゴン大学(University of Oregon)がある。オレゴン州には8つの4年制の州立大学があるが、学生数、設置科目数、財政規模の面で、このオレゴン大学が最大である。
ユージーン市には何度も訪問、滞在している。研究のために市議会に参加し、質問をしたこともある。このユージーン市の都市計画の特長は、学園都市としての緑豊かなダウンタウン再開発を全面的に押し出している点にあり、とくに、いわゆる「オープンスペース」の配置、景観への配慮は、ここ10年、最も力を入れている。
ユージーン市ダウンタウンにある「オープンスペース」の様子。


アメリカでの「オープンスペース」をめぐる議論の意義は、脱「車社会」への挑戦、都市の景観の維持という点にあるが、これらのさらに背景にある根本的な問題として、貧困や犯罪の抑制がある。
現に、アメリカ都市計画学会American Planning Association(APA)で常に議論されるのが、犯罪を誘発しない都市計画、オープンスペースの確保についてである。アメリカでは、安全確保という点が、都市計画の重要なポイントとなっており、納税者に対する税金投入に係わるアカウンタビリティーとなっている。
市が管理するゴミ収集所はかつて犯罪を誘発しやすい「死角」と言われることがあったが、ユージーン市は、そのイメージを払拭すべく、できるだけ死角を無くすような施設の配備、配色を施している。

少し話が飛躍するが、日本では都市計画は行政主導になりやすい。道路や橋など公共事業はとくに行政主導になっている。談合はその結果と言ってよいかもしれない。アメリカでもそうした暗い時代があった。しかしそれを改革すべく「シティーマネージャー制度」を導入した。市行政を監視する都市計画の専門家を、外から雇う制度である。そうした市行政のオープンな仕組みが、私のような外国人研究者でも、市議会に自由に参加させ、質問も受け、きちんと回答する、という姿勢につながっていると考える。
つづく


