2007年7月アーカイブ

 アメリカの人気ドラマ『ER救命救急室』の舞台はシカゴ。同じく、シカゴを舞台とした最近のアメリカ映画で貧困や医療保険の不公平性をテーマとした『ジョンQ』。いずれの映画にも、シカゴ市内にある病院が出てくる。
 税金投入して維持される、わが国の国民皆保険制度は、財源不足が最大の懸念材料となっている一方で、アメリカでは、民間保険が医療費をそれ相応にカバーしている。このことは、その従業員がフルタイムかパートタイムか(労働時間は何時間か)という「雇用条件」をもって保険内容も決まるという仕組みになっていることを意味しており、医療サービスの内容が所得水準で決められているのは、不公平であるとの批判が背景にある。
 ちなみに国民の医療費でみると、日本より、アメリカの方が高く、仮にアメリカに国民皆保険を導入するとなると、国(連邦)は保険料を高く設定する必要があると思われる。それを選択するかどうかはアメリカ国民に委ねられている。

 さて映画によく出てくるシカゴ。その中でも、シカゴの郊外にある「クックカウンティ総合病院」の画像をお見せしたいと思います。

これが『ER』の舞台、Cook County Hospitalの概観。荘厳な建物。
近づいてみると・・・・。
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これが、メインエントランス。しかし、人の出入りがない・・・・。
実はこの建物はすでに廃止されており(一部使用されているが)、このすぐ裏に新棟が設置されている。
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これが新棟。現代的な様式になっている。
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新棟の名は、「ジョン・ストローガー・クック群総合病院」。
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まさにERの雰囲気を漂わせる救急車の車列。
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 ところで、民主党ヒラリー大統領候補は、全米に5千万人いると言われる無保険者やワーキングプアの問題を取り上げて、いよいよアメリカに国民皆保険制度を導入する時代が到来したと主張している。都市部の貧困問題を重視してきた民主党としては当然の論法で、導入可否をめぐる今後の論争に注目したい。

 アメリカの初等中等教育(わかりやすく言えば義務教育)は、州の管理下にある学校区によって地方分権的に運営されている。学校区には州のもつ教育行政の権限が徹底的に移譲されており、とくに財産税(日本の固定資産税)の課税権も移譲されており、これが各学校区の自主財源としての教育費となっている。
 ところが、地方分権で運営されるアメリカの教育行政であるが、教育水準(学力)の向上となると、州や連邦政府(国)が実施する統一テストを導入し教育改革を図るなど、中央集権的な側面も多く見られる。

 自身、シカゴ市学校区の財政分析を事例研究としてここ数年行っているが、上述のことに関連して興味深いのは、同学校区(教育委員会)が管理運営する通常の公立学校のほかに、数学や科学といった理科系科目、さらに芸術・音楽に重点を置く公立学校も設置していることである。それが、マグネットスクールMagnet School、と呼ばれる公立学校である。最近では、スペイン語、中国語をはじめ、日本語、ドイツ語、フランス語、ポルトガル語など第2外国語を相当本格的に学ばせる学校も増えている。いわゆる「エリート学校」として認知されるものであって、州はもちろん、連邦政府も積極的に財政補助している。

 マグネットスクールは、その字の如しである。学校区の縛りを越えて、広く優秀な生徒を学校区内外から「磁石」のように呼び寄せ、人種に関係なく、有能であれば誰でも入学許可を与えるという点に特徴がある。日本も特色ある学校づくりや中高一貫などが叫ばれているが、これはそうした教育改革の源流をなすものである。そうした教育改革にあっては、分権国家アメリカでも、中央集権的に改革を実施している。

 最後に、シカゴ市学校区にあるマグネットスクールに視察、インタビューしてきた時の画像がありますので、その一部をお見せします。

視察したのは、シカゴ都心部にあるWhitney M. Young Magnet High Schoolという公立高校。
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校舎のエントランスに入る。表彰状が所狭しと掲げられている。
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視察した夕方頃。ちょうど生徒たちの演劇の整理券が父兄によって配られていた。
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演劇のメインステージ。音響、ステージ照明など、機材・設備は相当完備されている。演劇のシナリオから管理運営まで全て生徒が行う。ちょうど直前リハーサルの最中で、リーダーの出演者に対する声掛けが実に上手だったのが印象的。
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