人材開発教育グループ 沼倉佑栄
過日のブログに掲載された政府が提起している社会人基礎力について、所轄の経済産業省の中間取りまとめと、拙稿での考察(今年度の人間開発教育課程の共同研究報告書に所収)を参考に本学での取り組みの一端を紹介します。
拙稿では、社会人基礎力とは職場や地域社会で求められる共通能力で組織や地域社会の中で多様な人々とともに仕事を行っていく上で必要な基礎能力と定義しています。
社会人基礎能力は3つの能力から構成されています。
(1)前に踏み出す力(アクション):一歩前に踏み出し、失敗しても粘り強く取り組む力
(2)考え抜く力(シンキング):疑問を持ち、考え抜く力
(3)チームで働く力(チームワーク):多様な人とともに、目標に向けて協力する力
この能力を実現できた場合のメリットとして次のようなものがあげられます。社会人にとっては、自らの成長や、能力をアッピールする土台となることであり、企業あるいは組織にとっては、人材の育成や定着が促進でき、人的側面からの競争力を高めることができます。他方、大学側から見れば、企業や組織が求める人材が理解でき、正課の授業やキャリア教育を通じてより適切な教育プログラムを提供できます。さらに社会全体の共通言語の役割が果たせ、採用時におけるミスマッチによる社会的コストの低減、従業員にとってはストレスの解消につながると考えられます。
この能力(基礎力)を、大学時代に学んでおくことについて、経済産業省の2005年の社会人基礎力に関する調査(対象 企業440、学生707)によると、50%から85%くらいが大学で積極的に学ぶべしとし、能力次第を含めると85%以上が大学時代に学んだ方が良いとの回答でした。実際には90%以上が企業内教育で補っているのが現実であると思います。
社会人基礎力のeラーニングでの受講は、社員の教育・スキルアップとして、まさにうってつけの手段であす。なぜなら、社員の方たちは忙しく、組織によっては代替要員もいなく、昼間 授業のために抜けたり、休んだり出来ません。そのためにはいつでも、どこでもの通信教育はその問題の回答を与えてくれます。
では、社会人基礎力に対応する科目はあるのか、eラーニングで可能かを検討する必要があります。社会人基礎力の3つの要素と現在世の中で提供されている科目例を参考に、本校で提供している科目を比較し、不足している科目は今後の科目強化として計画し、さらに工夫によってeラーニング向けの授業になるよう改善を試みています。一度人間開発教育課程のカリキュラムを覗いて見てください。
なお社会人基礎力の要素を具体的なカリキュラムや現実に存在する企業内教育、外部セミナー、研修会社および一部の大学での科目に当てはめ、かつeラーニングで可能かを検討したものを今回の人間開発教育課程の共同研究報告書に載せています。機会がありましたらご覧ください。
参考までに 経済産業省の社会人基礎力のページへのリンクを紹介します。
社会人基礎力に関する研究会「中間とりまとめ」報告書の公表について