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2007年7月 アーカイブ

2007年7月29日

司書・学芸員資格の検討―第5回中教審生涯学習分科会制度問題小委員会から

山本恒夫

平成19年7月27日に、第5回中教審生涯学習分科会制度問題小委員会が開かれ、図書館法・博物館法の見直しについて審議が行われ、司書・学芸員資格の検討も行われました。

図書館法・博物館法の見直しでは、これからの社会教育ネットワーク行政時代にふさわしい新たな図書館・博物館の在り方についての意見が次々と出され、レベルの高い審議が行われました。

司書資格に関しては、高度な専門性を評価する制度(例えば上級司書など)を設けるべしといった意見も出されました。具体的な司書養成と研修の在り方については、別途、「これからの図書館の在り方検討協力者会議」で検討中なので、その結果を待って中教審生涯学習分科会で審議することになります。

学芸員については、「これからの博物館の在り方に関する検討協力者会議報告書」(平成19年6月)にあるような学芸員基礎資格(仮称)に賛成する意見が出されました。これは大学の資格科目を修得した者に付与される資格で、その後、博物館で一定期間の実務経験を積んだ場合に、学芸員資格が付与されるというものです。大学院レベルの専門課程は、今後の検討課題とされました。

今回をもって生涯学習関係4法の検討が終わったので、そのまとめをするために、制度問題小委員会は8月末までお休みです。この第5回でも、報道関係者の傍聴席に補助椅子が出されるなど、この問題への関心は非常に高いようです。9月以降、これが生涯学習分科会、中教審総会で審議され、答申になると、いよいよ4法改正案が国会に上程されることになります。

2007年7月23日

社会教育法制の見直し―家庭教育支援や「学・家・地」連携も社会教育行政の責務へ

山本恒夫

平成19年7月20日に、第4回中教審生涯学習分科会制度問題小委員会が開かれ、社会教育法の見直しの方向性について審議が行われました。この日も傍聴席が満員で、また補助椅子が出されました。

まず、社会教育法の目的として、教育基本法の生涯学習の理念を受け、生涯学習社会の実現のために、個人の要望や社会の要請に応える社会教育の振興、家庭教育の支援、学校・家庭・地域の連携協力の促進を規定してはどうかという案が出され、異論はありませんでした。

次に、社会教育主事については、制度を見直し、任用資格ではなく、首長部局や学校でも活用できる資格にするという意見が大勢を占めました。また、職務に専門的、技術的な指導・助言だけではなく、企画・立案、連絡・調整業務を加える方向が打ち出されました。

さらに、教育基本法第10条に家庭教育が新設されたことを受け、保護者に対する学習機会や情報の提供といった家庭教育の支援を社会教育行政の責務とすることにも合意が得られました。家庭教育は私教育ですから、行政は踏み込みません。行政の責務は家庭教育を行う保護者の支援ということになります。

学校、家庭、地域の連携協力の促進が教育基本法第13条に新設されましたので、これを社会教育行政の責務とすることにも賛成する意見が多く出されました。

従来のたて割り行政を、よこ型のネットワーク行政に変えていくというのが、今回の法改正の眼目です。そのため、この連携協力と共に、社会教育施設を、図書、博物館資料、地域人材の経験・知識等、社会のあらゆる学習資源を生かす拠点としていくことが強調されました。戦後60年続いた社会教育行政は、これから大きく変わると思います。

2007年7月19日

ヒューマンeラーニング交流会(7/14)のご報告

田井優子

7月14日(土)の昼休みに、春学期で5回目のヒューマンeラーニング交流会を横浜本校で開催しました。両課程から多くの方に参加していただきました。

この日のオンライン参加者は前回より8人増えて24人、台風4号の影響が出始めていたせいか、直接会場に来てくださった学生さんは3人、教員は6人でした。

▼会場の様子です。

会場の様子(1)
会場の様子(2)
会場の様子(3)

今回は学生さんから、同窓会の設立、学園祭開催についての提案があり、ディスカッションルームやチャットで自由に意見交換が行われました。ディスカッションの中では、次のような質問や意見が出ました。

(1)同窓会について
・任意参加という形をとってはどうか。
・同窓会への参加にかかわらず、卒業生同士の交流を図ったり、大学からの情報を得られる仕組み(たとえばSNSのようなもの)をつくったりすることが必要ではないか。
など

(2)学園祭について
・著作権の問題にどのように対処していくか。
・学園祭の運営スタッフや学園祭での発表者を募るため、呼びかけの方法を検討する必要がある。
など

(3)その他
・家庭教育課程と人間開発教育課程の学生が話し合える場が欲しい。
など

今回の提案の内容につきましては、ヒューマンeラーニング・プロジェクトの教室の[日程]および[教材]の方にこの時の資料等が入っていますので、ぜひご覧ください([日程]からはオンデマンド録画が見られます)。

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■おしらせ
○ヒューマンeラーニング交流会の様子は次のサイトでも紹介されています。
高鷲忠美の研究室便り
八洲学園大学 学生支援センター日誌

○秋学期の交流会の予定
秋学期の週末交流会の予定については、大学の全体お知らせやこのブログでご連絡しますので、どうぞ楽しみにしていてください。

○ご要望・ご質問など
本学学生のみなさんのご要望やご質問などを随時受け付けております。ご遠慮なくヒューマンeラーニング・プロジェクトの教室の質問機能を通じてお知らせください。

【注】
ヒューマンeラーニング交流会に参加できるのは本学の学生と教職員です。

<ヒューマンeラーニングとは>
学生、教職員が「ヒューマン・プラットホーム」にきて、対面交流・情報交換をするeラーニングの仕組みです。人間開発教育課程では、eラーニングにあってはヒューマン・ファクターも取り入れた支援が重要と考え、さまざまなかたちで取り組んでいます。詳しくは、人間開発教育課程HPをご覧ください。

2007年7月17日

生涯学習振興法の改正をめぐって

山本恒夫

平成19年7月13日に、第3回中教審生涯学習分科会制度問題小委員会が開かれ、生涯学習振興法の改正をめぐっての審議が行われました。この日は、傍聴席が満員で、かなりの補助椅子が出されました。

議題は生涯学習法制の在り方で、具体的にはいわゆる生涯学習振興法をどのように改正するかということです。論議は、主として以下の4点に絞られました。

第1は、新教育基本法に盛られた生涯学習の理念と社会教育、学校教育の関係の明確化で、生涯学習の理念はすべての教育に及ぶこと、生涯学習振興行政の固有領域には、すべての教育領域に関わることや学社融合のような融合事業などがあることが指摘されました。

第2は、国・地方公共団体等の役割で、従来のいわゆる生涯学習振興法は国と都道府県の任務を定めたものでしたが、新たな生涯学習の理念に基づけば、それを市町村にまでおろすべきとの意見が大勢を占めました。

第3は、学習成果の評価・活用で、登録生涯学習検定制度(仮称)の新設について検討しましたが、よいのではないかという意見が多く出され、反対はありませんでした。
既に新聞報道がなされていますが、同じ13日に、中教審初中教育分科会教育課程部会が開かれ、高校に達成度検定を導入するという提案がなされました。賛成意見が多かったようですが、そちらは、この登録生涯学習検定の検討を受けて、審議を進めていくようです。

第4は、学習活動支援する人材の問題で、教育サポーター、学習相談員、学習コーディネーターなどの新設問題です。これは社会教育法とも関連があるので、引き続き次回でも検討することになりました。

2007年7月15日

商店街が支援する学社連携・融合の実践

浅井経子

福岡県行橋市には、商店街の活性化のために結成された「NPO法人 アクションタウン行橋」があり、小・中・高校生に就業体験の機会を提供しています。

行橋市の商店街の皆さんによって結成されたもので、子どもたちが就業意識や勤労意識を高め、将来の進路について考えることができるように、就業体験活動の機会を提供しています。その活動は行橋市の市報でも紹介されています。

■「市報ゆくはし」のページ(行橋市公式ページ内):
http://www.city.yukuhashi.fukuoka.jp/sihou/2007/0701/09.pdf
(2ページ目の1番最初の記事です。)

お花屋さん、ペットショップ、子供服店、青果店、魚屋さん・・・子どもたちは多様な仕事を体験でき、他の市町村の学校からも利用されています。

学校と地域が一体となって子どもたちの教育を行おうという学社連携・融合の取組みは、全国各地で展開されています。今回紹介する「NPO法人 アクションタウン行橋」の実践は、「学社連携・融合論」を履修している八洲学園大学人間開発教育課程の学生さんから情報提供いただいたものです。

本学の学生さんの居住地は全国各地、海外にまで及んでいますので、多彩な生涯学習支援の情報が集まります。機会がありましたら、また学生さんから提供いただいた情報をご紹介いたします。

2007年7月13日

環境教育について(社説から)

人材開発教育論グループ 沼倉佑栄

7月1日の日本経済新聞の社説で指摘されている環境に関する教育の問題について、本学では真正面から取り組んだ科目が用意され、充実されつつあります。

社説によると、2005年から「国連・持続可能な開発のための教育の十年」(ESD計画)が始まっています。これは日本が提案し、国連総会で採択された計画ながら、日本では忘れかけています。この計画では、温暖化ガスの排出を抑え、持続可能な経済社会を築くには、教育が決定的に重要であると言っています。この問題は人の心のありよう、環境や地球に対する見方が変わらなければ、それらは持続しないし定着もしないとも言っています。しかも環境教育・環境学習は日本で盛り上がりが欠けており、学校教育や社会教育の現場で動きが伴ってないと指摘しています。

本学の人間開発教育課程 人材開発教育論グループの中にはこの資源・環境問題に真っ向から取り組んでいる科目があり、世の中の期待に沿う内容を提供しています。しかも来年度に向けてさらに科目の充実を図っているので、楽しみです。地球環境を考えている人、温暖化を危惧されている人、環境教育に困っている人は是非学ばれることをおすすめします。

2007年7月11日

職場のつながり(国民生活白書から)

人材開発教育論グループ 沼倉佑栄

6月26日発表された「国民生活白書」の「職場のつながりと企業の業績」との関連で、本学の授業で取り上げている内容と合致する部分が多いことを発見しました。

<職場のつながりと業績>
去る6月26日に発表になった「国民生活白書」の第3章「職場のつながり」では、調査によると、例えば、職場の人間関係が良いと感じているほど企業の業績が上がっている。仕事の意欲を高める上では、良好な人間関係が重要である。職場で仕事上のコミュニケーションが取れてない人は少なくない。4人に1人が仕事以外でも職場の人と付き合いたいと希望しているが実現していない。能力開発は、従業員個人の責任と考える企業が増えている。企業の職業教育訓練は90年代以降縮小傾向にある。仕事のやりがいや雇用の安定に対する充足度は低下している。若年層を中心に「生きがいをみつけるため」に働く割合が減少している。職場の助け合いやコミュニケーションの減少が心の病にも影響している等です。これらの問題に対し、どう考えたらいいのか、どう対処したらよいのか、問題提起だけでは何もならない。具体的な解決策やヒント、着眼点などが提示され、学ぶ機会があることが望ましい。人間開発教育・人材開発教育論グループの科目では、過去の実証された理論と現実の実践論をテーマに上述の課題に取り組んでいるビジネス系の科目がいくつかあります。この機会に一緒に答えを探してみませんか?

■「平成19年版国民生活白書」に関しては、詳しくはこちらをご覧ください。

「平成19年版国民生活白書」(要旨)のページ:(内閣府ホームページ内)
http://www5.cao.go.jp/seikatsu/whitepaper/h19/10_pdf/03_youshi/index.html

2007年7月 9日

行動する司書・学芸員を期待

山本恒夫

平成19年7月5日に、第2回中教審生涯学習分科会制度問題小委員会が開かれ、行政や民間での生涯学習推進の課題等についてのヒアリングが行われました。

その中では、Y市生涯学習推進行政担当者からの図書館、博物館の在り方についての提言が注目されました。

たとえば、図書館では、企業との連携や企業協賛を可能にするようなインセンティブに富んだ柔軟で弾力的な運営システムが必要で、博物館も経営感覚に富んだ館長を登用して、多様な博物館のネットワークの強化を図ることが出来るような、新たな博物館登録制度を作るべき、といった提言があり、どういう仕組みにしたらよいかについての質問があいつぎました。

さらに、これからは、司書、学芸員が積極的に地域に出て、社会の活性化に貢献するような「行動する司書・学芸員」になっていかなければならない、そのためには司書・学芸員の意識改革が必要だ、とする考えも示され、共感を呼んでいました。

2007年7月 5日

「イノベーション25」と生涯学習

浅井経子

平成19年6月1日に「長期戦略指針『イノベーション25』」が閣議決定されました。

■「長期戦略指針『イノベーション25』」のページ: (首相官邸ホームページ内)
http://www.kantei.go.jp/jp/innovation/saishu/070601/kakugi1.pdf

この指針は、今後20年間に(1)日本の人口減少・高齢化の急速な進展、(2)知識社会・情報化社会及びグローバル化の爆発的な進展、(3)地球の持続可能性を脅かす課題の増大といった変化が生じることを見通して、社会のあらゆる機関、部門がイノベーションに取組み、ひいては国民一人ひとりに価値観の大転換を図ることを求めるものです。

イノベーションについては、技術革新にとどまらず、これまでとは全く違った新たな考え方、仕組みを取り入れて、新たな価値を生み出し、社会的に大きな変化を起こすこと、と説明し、生涯学習については、地域の大学等を活用した新たなチャレンジにつながる生涯学習システムの構築をあげています。[1]

これまで“生涯学習”というと趣味や健康維持のための生きがい追求型の活動を思い浮かべる人が多かったように思います。しかし、これからは知識社会型の生涯学習へと変わっていくものと思われます。

八洲学園大学人間開発教育課程では、それに対応できるように「人間開発教育課程21世紀ビジョン」[2]を既に策定し、このブログでも紹介されています。また、人間開発教育課程では、生涯学習とその支援に関する基礎知識・スキルだけでなく、キャリア開発や人材開発に関わる知識やスキルを学ぶことができるようになっており、教職員と学生がともに新しい時代を築いていけるよう、さまざまなことにチャレンジしています。

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[1] 「長期戦略指針『イノベーション25』」に関しては、詳しくはこちらをご覧ください。

「イノベーション25」のページ:(内閣府ホームページ内)
http://www.cao.go.jp/innovation/index.html

[2]「人間開発教育課程21世紀ビジョン」は、このブログで4回にわたって掲載されています。

2007年7月 3日

生涯学習社会実現のための社会教育主事の見直し

山本恒夫

平成19年6月28日に、中教審生涯学習分科会制度問題小委員会の第1回が開かれ、教育基本法の改正に伴う生涯学習・社会教育関連4法改正の本格的な検討が始まりました。

会議は公開です。この日は、皆さんにおなじみのNHK解説委員も傍聴に来ておられました。

生涯学習社会の実現に関しては、地域社会、学校の幅広い連携の重要性が言われ、教育行政と一般行政の連携も議論になりました。

また、各論では、生涯学習社会実現のために社会教育主事を抜本的に見直すべきとの意見が多く、司書、学芸員の上級資格も話題になりました。

これからは、8月初めまで、毎週1回のハイペースで審議が行われます。

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