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生涯学習推進の効果

浅井経子

激動する社会を生きていくために、生涯にわたる学習が必要不可欠なことは多くの人々が認めているところです。そればかりでなく、目に見えないところで、生涯学習推進は私たちの生活にさまざまな影響を与えているようです。

生涯学習支援は多種多様なかたちで行われていますが、その中心には社会教育があると考えられています。社会教育と一言でいいましても、学校教育、家庭教育を除いて、広く社会で行われている教育の総体をいいますので、いろいろな種類があります。その中で、自治体のもとで行われている社会教育を取り上げ、都道府県と市区町村の社会教育費の効果について、データを分析して調べてみました。

一人あたりの社会教育費が高い地域では、ボランティア活動率、投票率も高く、逆に犯罪率、失業率、生活保護率は低いという傾向がみられました。いいかえれば、社会教育に力を入れている地域では、住民が有している市民性は高く、安心・安全も確保されているという傾向がみられた、ということです。

少し古い話ですが、平成9年に、6カ国(日・韓国・米・英・独・スウェーデン)の国際比較調査の結果を使って、本学の山本恒夫先生が高齢者の学習率と健康の関係を分析し、学習率がアップすると人々の健康状態がよくなり、診療医療費が削減されることを明らかにしました。

このようにみますと、生涯学習の推進は個人レベルでの効果を越えて、社会に対してもさまざまな効果をもたらしているといえそうです。

これからも、本学の学生さんが学習成果を生かして地域の生涯学習推進に参画し、地域の活性化と住みやすい地域づくりに貢献していただくことを期待しています。

以上のことは、次の文献で取り上げられています。
・浅井経子「生涯学習推進の効果に関する分析-ボランティア活動率、投票率、犯罪率への社会教育費の効果-」日本生涯教育学会論集28、平成19年7月。
・浅井経子「社会教育への財政投入の効果に関する研究-職業関係の地域指標の場合-」八洲学園大学紀要第3号、平成19年3月。
・国立教育会館社会教育研修所『高齢者の学習・社会参加活動の国際比較』平成9年9月。