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2008年1月 アーカイブ

2008年1月26日

人材開発教育論グループの新しい科目

人材開発教育論グループ  沼倉佑栄

 人材開発教育論グループは人間開発教育課程のビジョンと施策に則り、着実に科目の充実と活動の輪を広げています。

 その一環として、平成20年春学期からの科目の充実を図りました。内容は社会的ニーズである社会人基礎力の分野の科目およびプロフェッショナルな道へのステップとなる科目の強化、増設です。社会人基礎力では、リーダーシップ、コーチング、問題解決、コミュニケーションスキル、論理思考等新しい科目が追加され強化されていています。
 またプロフェッショナルへの道では、

  1. 人類が直面している、環境と資源の中から、水資源をテーマとしたものと、省エネルギー普及のため、資源エネルギー概論の科目が新たに開設されています。
  2. 税理士やファイナンシャルプランナー資格取得、実践起業に役立つ経済学・税制・税務会計・財務分析・投資論、まちづくりNPOや官民協働事業等の運営者に役立つ地方財政・地域開発・公共政策等の分野の科目の増設、強化が図られています。
  3. これらの科目の基礎となるべき社会人としてのコミュニケーション能力を高める日本語リテラシーの向上も併せて充実させています。
  4. リーダーや管理者、経営者、起業家のためのスキルの向上を目指しています。

 人材開発教育論グループでは、このように徐々にではありますが、社会のニーズに応えるべく科目の充実をこれからも図ってまいります。

2008年1月22日

新春・生涯学習躍進シリーズ ・その4 ― 「学習成果の評価・認証と成果の活用」

山本恒夫

 第47回生涯学習分科会が、平成19年12月26日に開かれました。第46回中教審生涯学習分科会で審議された答申に盛り込むべき事項を基にした答申案の全文が初めて出されました。

 生涯学習分科会は、暮れも押し詰まった12月26日まで会議を開き、答申の提出に向け、審議を続けています。
 答申案全文が示されましたが、今回は新教育基本法の「生涯学習の理念」にある学習成果の活用や、そのための資料としての学習成果の評価・認証のところを紹介してみたいと思います。勿論案ですから、今後、修正されることがあります。

(学習成果の活用)

  • 各個人の学習の成果を、地域全体による様々な学校支援活動や放課後対策、家庭教育支援事業等の場で活用することが必要である。特に、定年を迎え地域に帰る団魂世代の力を有効に活用する方策を検討することが必要である。
  • 各個人の学習成果の社会への還元を促進するため、その成果が社会的活動として発揮されることを通じて、新たな学習機会へのインセンティブを得られるなど、学習活動と教育活動のサイクル化・共有化につながる取組について支援することが考えられる。

(学習成果の評価の社会的通用性の向上)

  • 学習成果の評価の社会的通用性を向上させるための方策として、社会に存在する多様な学習機会について、その質の保証のあり方や学習成果の評価の在り方について検討する必要がある。

(履修証明制度等の活用)

  • 平成19年に改正された学校教育法により、大学等が社会人等を対象とした課程(教育プログラム)を履修した者に対して証明書を交付することができる履修証明制度が導入されており、その活用を図ることが重要である。
    (この履修証明制度が創設されるにあたっては、17年9月に教授会で承認され、11月に公表された本学の科目修得認証、18年4月の放送大学・科目群修得認証などが貢献しています。)

 その他、これまで空欄であった「今後の行政の在り方」についても、案が初めて示され、国、都道府県及び市町村の任務等の在り方についての審議が行われました。

2008年1月21日

eBookについて

高鷲忠美

 eラーニング実施大学では、受講学生の学習用の図書を提供する工夫が必要である。キャンパス内の図書館を履行して使える学生が非常に少ないことが理由である。八洲学園大学では郵送で対処しているが問題がある。「有料」であること「遅いこと」である。これに変わる手段が現れたので、そのeBookを紹介する。

 アメリカのeラーニング実施大学大学図書館のHPを見ると、学生に学習に必要な資料を提供するための工夫が見られる。eラーニングでは学生はキャンパス内に原則として存在せず、広い地域に点在している。大学である以上、教科書以外に学習に必要な資料を学生に提供できる手だてがなければ、大学教育たり得ないと言っても良い。

 アメリカの大学図書館には、「eBook」と「オンラインデータベース」に学生がアクセスできるような工夫がなされている。学生がIDとパスワードを入力すると、このeBookとオンラインデータベースにアクセスでき、自分の学習に必要な図書と論文を入手できる。

 図書をデジタル化し、それを出版社(機関)が図書館に販売する。購入した図書館はそれを他の資料と同様に学生に無料で閲覧あるいは貸出によって利用してもらう。eBookは、一冊を最初から見ることも出来るが、例えば図書館が購入したすべてのeBookの全文(フルテキスト)を対象に、あるキーワードから検索し、キーワードが存在する図書をすべて表示することが出来る。図書のどこにどの文脈でキーワードが存在するかが一目でわかるので、学生は、自分の見たい図書を次々に見てゆけばよい。印刷も可能だし、付箋を通常の図書に貼るように「メモ」機能があるので、どこを見たか、あるいは重要なところを再度見る際の道しるべとすることも可能である。

 私が八洲学園大学で、eラーニングに携わることになったときに、アメリカでeラーニングを担当している知人に助言を仰いだことがある。そのときに言われたのが「必要な文献を郵送するような手段はとるな」と言うことであった。届くのが遅くなるし、何より有料となり、学生に余計な負担を掛けることになるからである。しかし、その段階では日本ではeBook日本語版が存在しておらず、八洲学園大学では郵送(宅配)に頼らざるを得なかった。

 OCLCは「NetLibrary」という名称で、eBookを提供している。(日本の大学図書館でもこのNetLibraryを購入し学生に公開しているところがある。しかし、八洲学園大学のように学部教育段階でこの英語資料だけの提供はあまり適していないと考えている)。

 日本語版があれば、eラーニングが日本でも増えてきている現状を考えても価値があると考え、英語版のeBookを提供している機関の一つOCLCの日本総代理店である紀伊國屋書店に日本語版の作成・提供を依頼した。去年11月から日本語版eBookの提供を始まった。2007年度に搭載タイトル1,300点、2009年度までに搭載タイトル5,000タイトルということである。

 eBookは、閲覧などは図書と同様のサービスを行えるし、デジタル媒体としての特徴である全文検索が可能である。保管、紛失、収納スペースの問題を考える必要がなくなる。学外からでも学生が24時間アクセス可能である。買い切りのサービスであり、年間維持費が不要であるといった利点がある。

 図書館学を学んでいる学生の多い八洲学園大学にとっては、図書館学関係の図書を出版している出版社がこのシステムに加入して図書を提供してくれたら、利便性は非常に高くなると考えられる。

 このシステムのより一層の発展を期待したい。

2008年1月20日

子育てしながら、あるいは子育て後に働きたいと望む女性のために-女性雇用対策と生涯学習-

浅井経子

これからの社会にあって、若者、子育て中および子育て後の女性、退職後の人が就職、再就職、転職にチャレンジできるよう、職業能力の向上を図る学習機会の提供はますます重要になるでしょう。今回は、女性の子育てと仕事との関係について取り上げます。

政府は「子どもと家族を応援する日本」重点戦略検討会議を設置していますが、平成19年12月18日、同検討会議に出席した福田総理は、「女性が、仕事と出産・子育てのどちらかを諦めざるを得ないという構造の解消は、女性の仕事を続けたいという希望と、結婚したい、子どもを持ちたいという希望を同時に実現するために必要不可欠であることはもとより、若者や女性の労働市場参加を促進し、労働力人口の減少を緩和するという意味においても直ちに行わなければならない課題と考えています」と述べ、待機児童の解消、多様で弾力的な保育サービスの充実、子育ての不安や悩みを相談できる支援拠点の拡充などに内閣として重点的に取り組んでいくことを表明しました。
http://www.kantei.go.jp/jp/hukudaphoto/2007/12/18kodomo.html

子育てしながら、あるいは子育て後に働きたいと考える女性はたくさんいます。出産を控えた女性や子育て中の女性の多くは社会との接点を維持したいと望んでいます。そのような女性の望みが叶うように、子育てと仕事の両立を可能にする条件の整備が、少子化対策の鍵となるでしょう。そのような条件にはいろいろありますが、職業能力の向上を図る学習機会の提供もその一つです。

本学でも、人材開発グループを中心に、子育て中、あるいは子育て後に再就職等を希望する女性たちが自らの道を拓くことができるように、実践的な教育プログラムをより充実させ提供していきたいと思います。

2008年1月18日

新春・生涯学習躍進シリーズ ・その3 ― 学習相談と再チャレンジ支援

山本恒夫

 第46回生涯学習分科会が、平成19年12月17日に開かれました。第45回中教審生涯学習分科会で審議された答申骨子案を、答申に盛り込むべき事項として具体化した案が初めて出されました。

 この分科会は報道陣に公開されていますので、その案を紹介することが出来ます。まだ審議中ですので、修文されていきますが、新しい具体的施策の中から、人間開発教育課程に関係の深い事項を少し紹介しますと、次のようなものがあります。

(相談体制の充実)

  • 就業・起業やボランティア活動等社会参加等の新たなチャレンジをしようとする人に対し、地域や社会、産業界のニーズを具体的に把握・明確化し、キヤリア形成支援を含めた学習相談を行うとともに、必要な知識・技術が習得できる学習機会を、大学・専修学校・企業・NPO等の民間団体等の協力を得つつ社会教育施設等において提供するなど、学習相談から社会参加までを一貫して支援する学習支援システム(ワンストップサービス)を構築する。その際には、産業界・大学・専修学校・NPO等の民両団体や首長部局の労働行政担当等との連携を強化する必要がある。
  • 学習活動を行う上で、時間や場所などに起因する制約要因を解消するため、産業界・大学・専修学校・NPO等の民間団体等が連携し、インターネット等情報通信技術を通じて、キャリアアップ等に資する学習コンテンツの提供や学習相談を行う「生涯学習プラットフォーム」(学習活動を推進する地域の基盤)の形成を支援する。

(再チャレンジ支援)

  • また、従来企業内で行われてきた個人の能力開発について、「会社主導から自助努力へ」という傾向が中小企業を中心に強くなっていることや、非正規社員の学習機会が少ないことを踏まえ、出産・子育て後の女性や働き盛り世代の再就職、キャリアアップのための学びの需要に応えるため、地域のニーズに応じて社会教育施設等において提供される学習プログラムや学習相談の機会を、情報通信技術を活用しつつ、広く提供するような取り組みを支援することが重要である。
  • 更に、新たなチャレンジを目指す若者、中高年、女性、フリーター・ニート等を支援 するため、専修学校の持つ職業教育機能を活用する等、それぞれの特性等に応じた職業能力向上のための学習機会の提供の充実を図ることが重要である。
  • 社会教育施設・大学・専修学校・企業・NPO等の民間団体において、社会人のキャリアアップや地域活動の参加に役立つ実践的な教育プログラムを共同で開発し、このような教育プログラムの学習成果が広域的に通用し、活用されるようその普及を図る。

 これをみると、本課程の学習相談員基礎スキル科目修得認証や仕事移動診断士科目修得認証(20年度より開設予定)を取得した人が活躍しそうですね。

2008年1月17日

新春・生涯学習躍進シリーズ ・その2 ― 新しい教育基本法の具現化

山本恒夫

 第45回中教審生涯学習分科会が、平成19年11月30日に開かれました。ここでは、第7回制度問題小委員会報告が提出されるとともに、新たに答申骨子案が示され、審議が行われました。

 この答申骨子案は、生涯学習振興の目ざすべき方向性を打ち出すと共に、生涯学習振興全体の骨格を示すものとなっています。その中では、新教育基本法の「生涯学習の理念」や新設あるいは改正された生涯学習・社会教育関係の条項を具現化していくための項目が目立ちます。たとえば、主要事項の中には次の2つが入っています。

 ○国民一人一人の生涯を通じた学習への支援―国民の「学ぶ意欲」を支える
  ①多様な学習機会、再チャレンジが可能な環境の整備
  ②学習成果の評価の社会的通用性の向上
  ③学校外での学習における「人間力」向上への支援
 ○社会全体の教育力の向上
  ①家庭の教育力の向上
  ②地域の教育力の向上
  ③学校・家庭・地域が連携するための仕組みづくり

 このうち、「学習成果の評価の社会的通用性の向上」は、教育基本法の「生涯学習の理念」に謳われている「(学習の)成果を適切に生かすことのできる社会の実現」を図るための基盤づくりです。これについては、平成20年度政府予算案の中に調査費(新規)が盛り込まれており、本学が貢献するところも大なるものがあると思います。
 「家庭の教育力の向上」は、教育基本法第10条「家庭教育」が新設され、それを受けて社会教育法の中に家庭教育支援の条項が設けられる予定ですので、その施策化です。
 「学校・家庭・地域が連携するための仕組みづくり」も教育基本法第13条「学校、家庭、地域住民等の相互の連携協力」を受けており、生涯学習社会のネットワーク構築の一環です。

2008年1月16日

若年者雇用対策と生涯学習

浅井経子

これからの社会にあって、若者、子育て中および子育て後の女性、退職後の人が就職、再就職、転職にチャレンジできるよう、職業能力の向上を図る学習機会の提供はますます重要になるでしょう。

 近年、企業のみならず行政でもPDCAサイクル(Plan→Do→Check→Action)を導入し、事業や政策の評価に取り組んでいます。国の場合、内閣の重要政策を政策評価の対象として選定し、評価を実施することになっています。
 平成19年6月19日の「経済財政改革の基本方針2007」(閣議決定)に基づき、11月26日、経済財政諮問会議は、次のような政策評価の重要分野等を選定し、提示しました。

(1)少子化社会対策に関連する
 1)育児休業制度(厚労省)
 2)子育て支援サービス(文科省、厚労省)
 3)ワーク・ライフ・バランス(仕事と生活の調和)の実現に向けた取組(内閣府、厚労省)
(2)若年者雇用対策(文科省、厚労省、経産省)
(3)農地政策(農林水産省)

 若年者雇用対策については、特に年長化するフリーター、ニートの問題がますます困難な状況に陥っていることから、フリーターの常用雇用化、ニートの職業的自立を促進する観点から取り上げています。

 雇用形態が大きく変わってきておりますが、フリーター、ニートが依然として多い就職大氷河期世代への支援が必要とされています。
 本学も、人材開発グループを中心に、実践的な教育プログラムを充実させ、そのような人々のニーズや社会の要請に応えていくようにしたいと思います。

2008年1月14日

新春・生涯学習躍進シリーズ ・その1 ― 生涯学習振興のグランド・デザインを目指して

山本恒夫

 平成20(2008)年1月15日、21日に中教審生涯学習分科会が開かれ、教育基本法に新設された第3条「生涯学習の理念」に基づく最初の生涯学習答申案の全容が示される予定です。これは生涯学習振興のグランド・デザインとなるもので、今年は生涯学習・社会教育関係4法の改正と相俟って、生涯学習振興・推進の大きな改革の年になりそうです。
 これから数回にわたり、“新春・生涯学習躍進シリーズ”として、その動きをお伝えしたいと思います。

 まずは、中教審生涯学習分科会制度問題小委員会の最終回の話から始めたいと思います。
 昨秋11月22日に、第7回制度問題小委員会(最終回)が開かれました。文部科学省と内閣法制局との折衝を経て大体の方向が打ち出され、法改正をめぐる検討がほぼ終わり、小委員会報告を作成して、生涯学習分科会に上げることになりました。この報告では、第6回制度問題小委員会までに出された意見のうち、法改正に盛り込む事項と、法改正に盛り込むのは無理なので中教審答申で提言して施策に入れる事項の区分けを行っています。

 法改正というと、すべてがガラッと変わるように思われがちですが、教育基本法の改正の場合でも、新旧対照表を見るとわかりますように、新設された条文はそう多くありません。しかも、翌日から変化が目に見えるわけではありませんので、あまり変わらないような錯覚に陥りがちです。しかし、国法の場合、1つでも条文が新設されたり、条文修正が行われたりしますと、それに基づきいろいろなところが変わっていきますので、国民生活に大きな影響を及ぼすのです。

 今回の生涯学習・社会教育関係4法(生涯学習振興法、社会教育法、図書館法、博物館法)の改正は、新しい教育基本法に基づく重要な改正です。今後、中教審生涯学習分科会で法改正や、政策提言を含む答申の準備がなされることになります。
 その一方で教育基本法に基づく教育振興基本計画の審議も進んでいます。
 それでは、新春にふさわしいようなその後の動きを追っていきたいと思います。

2008年1月 4日

ジョブ・カードと生涯学習パスポート

浅井経子

平成19年12月12日、ジョブ・カード構想委員会は最終報告を政府に提出しました。政府は約170億円をかけてジョブ・カード制度をつくる予定です。

ジョブ・カードとは就職、転職、再就職を希望している人が取得した「職業能力証明書」やそれまでの職務経験、教育訓練経歴、取得資格等の情報をまとめたもので、職務経歴、学習歴・訓練歴、免許・取得資格、キャリア・シート、評価シートなどから構成されています。実践的な職業教育・訓練の修了証を求職活動等に役立てることができるように国が「職業能力証明書」を発行し、フリーターや子育て終了後の女性、母子家庭の母親等に職業能力を身につけてもらい、就職できるようにすることをねらっています。

似たものに生涯学習領域に生涯学習パスポートがあります。生涯学習パスポートは学習歴、職歴、取得した資格、地域活動等を記入して、証拠となる修了証等とともに就職、転職、再就職や社会参加活動にチャレンジするときに役立てようというものです。生涯学習パスポート・モデルは、平成15年に既に文科省の委託を受けて、本学の山本恒夫先生が中心となり開発した経緯があります。ただし、生涯学習パスポートを作成・活用している自治体もありますが、全国展開は未だみていません。今後、ジョブ・カードと生涯学習パスポートがどのような関係になっていくのか注目したいと思います。

なお、ジョブ・カードに記載できるものに大学等の履修証明があります。20年度については、大学、高等専門学校、専門学校の一部の実践型教育プログラムの履修証明をジョブ・カード制度で試行するとのことです。

八洲学園大学人間開発教育課程では既に平成18年度より科目修得認証を出していますが、これは履修証明の先駆的なものといえます。今後は、本学も今まで以上に社会で通用する、実践的な教育プログラムを開発していきたいと思います。

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