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2008年2月 アーカイブ

2008年2月28日

人間開発教育課程の学生さん紹介シリーズ(9)

浅井経子

 本シリーズでは、全国各地で活躍されている八洲学園大学人間開発教育課程の学生さんを紹介しています。今回は、ご自身で起業された米澤照浩さん(2006年春学期入学)をご紹介いたします。

 米澤さんは介護関係などのお仕事に従事されたあと、ご自分で起業して現在は中古車販売をしていらっしゃいます。

 本学に入学したのは、まさに学歴社会の問題にご自身が直面されたからとのことです。本学に入学する前の会社では給料体系に高卒か大卒しかなかったため、専門学校卒の米澤さんは高卒扱いとなったそうです。一般的には専門学校卒は短大卒と同等なのではないかと異議申し立てをされたそうですが、短大卒の給料体系もなく、高卒になるといわれ、それでは大学に入学しようと決心して、本学に入学されたとのことです。そのときには部長さんと話し合われてお給料を少しあげていただいたとのことですが、ご自分では納得できなかったといわれています。

 本学で学んでみてよかったこととしては、考え方が変わったこと、経営の仕方が変わったことをあげられています。特に「生産業務効率化論演習」「人材教育システム」「現代マネージメント」「情報検索演習」などの科目が、経営の上で役立ったと喜ばれています。

 お仕事をしながら本学で学ぶにあたって工夫されていることは、スクーリング履修とテキスト履修の配分を考え、仕事にできるだけ影響しないようにする、ということだそうです。仕事との兼ね合いを見計らいながら、夜や土、日にはできるだけスクーリング科目を履修するようにし、ほかの科目はテキスト科目を履修されているとのことです。

 現在の流動化する社会にあって、“起業”という言葉は魅力的に響く言葉です。しかし、実際にはそう易しいことではなく、一定の収入を確保するためには血のにじむような努力が求められると思います。

 本学が、米澤さんのように起業した方々に役立つ教育内容や情報を提供しているということは嬉しいことです。米澤さんのお仕事の一層のご発展を祈りながら紹介させていただきました。

2008年2月27日

人間開発教育課程の学生さん紹介シリーズ(8)

浅井経子

 本シリーズでは、全国各地さらには海外で活躍されている八洲学園大学人間開発教育課程の学生さんを紹介しています。今回は、カナダのカレッジや高校で日本語や日本事情、日本文化等を教えていらっしゃる松下順子さん(2006年春学期入学)をご紹介いたします。

 松下さんは、1986年に東京の三井物産で知り合われた日系カナダ人(ご主人)と結婚され、半年後には転勤のためトロントに居住を移されました。カナダ在住20年を超え、現在、20歳と17歳の男の子がいらっしゃいます。

 州立カレッジのContinuing Educationで日本語を10年間、一般教養科目の日本事情を8年間、4年前からは高校でも日本語・日本文化クラスをそれぞれ非常勤講師として担当されています。さらに、フリーランスとして通訳と翻訳のお仕事もされているという国際派の学生さんです。

 遠く離れた本学に入学された理由をお聞きしました。

 「教師の仕事はカナダに来てから始めました。教えることに関しての知識はカレッジで受けた基本教授法と日本語教師養成講座で補ってきましたが、いつか本格的に教育に関する勉強をしたいと思っておりました。特に生涯学習に興味がありましたので、八州学園大学で人間開発教育課程をインターネットで学べると知りすぐに入学しました」と松下さんは語ってくださいました。

 本学で学んで、生涯学習の学習者であることを自己認識できたことが大きな収穫といわれています。松下さんが教えていらっしゃるカナダの学生さんに、ご自身が学習を続けていることを話し、学生さんと学ぶことの楽しさを共有していらっしゃるとのことです。また様々な科目の学習を通して、これまで工夫しながら進めてきた授業の方針が間違っていなかったことが分かったときには、とても心強く感じられるとのことです。逆に、今まで気がつかなかったことがあったときには、早速ご自身の教授法に取り入れられているとのことです。

 本学に入学して驚いたことは、先生方の質の高さと熱意だそうです。さらに、スクーリングでもテキスト履修でも1対1で指導を受けられるため、先生がとても身近に感じられ、学習意欲が湧くといわれています。クラスメートからも、意見交換を通じて刺激を受けることができると喜んでいらっしゃいます。

 カナダにお住まいですので、通学せずに大学の授業を受けられる本学のeラーニング・システムには本当に感謝しているといわれています。

 お忙しい生活にあって、最大の課題は学習時間の確保だそうです。工夫されていることとしては、朝早く起きる、少し空いた時間を気分転換を兼ねて学習時間に充てる、などをあげてくださいました。また、興味があることやお仕事に応用できることを勉強しているので、学習自体を趣味のような感じで楽しむようにしているとのことです。

 卒業してしまったら寂しくなるので、科目履修生として残って学習を続けることも考えていらっしゃるそうです。

 松下さんのように日本文化を紹介できる方こそ、本当の国際人ではないでしょうか。本学の教育が松下さんのお仕事に少しでも役立っているとしましたら、とても嬉しいことです。カナダの学生さんと本学の教員、学生が、松下さんを介してこころでつながっていることをカナダの学生さんにお伝えくださいませ。

 横浜とトロントがどれほど離れているかは地球儀で調べてみればわかります。でも、松下さんからカナダの事情などをご紹介いただいたりしていますので、私どももいつもすぐそばに松下さんがいらっしゃるような気持ちでおります。

 日本とカナダの友好のために、一層のご活躍を期待しております。

2008年2月24日

人間開発教育課程の学生さん紹介シリーズ(7)

浅井経子

 本シリーズでは、全国各地で活躍されている八洲学園大学人間開発教育課程の学生さんを紹介しています。今回は、図書館司書志望のTさん(2005年春学期入学)をご紹介いたします。

 Tさんは、市役所の臨時職員として働きながら、図書館司書資格取得を目指して本学で学んでいらっしゃいます。近く、司書の正規職員の募集があるとのことで、その試験にチャレンジしたいといわれています。本学で学んだことは司書になった暁にはぜひ役立たせたいと、こころに誓っていらっしゃるご様子です。

 海に囲まれた我が国にはたくさんの島がありますが、Tさんはその一つ、風光明媚なことで有名な島にお住まいです。もちろん、大学はありません。そこで、学びたい人が、どこにいても学ぶことができる学習形態に強い魅力を感じ、 八洲学園大学に入学されたそうです。ですから、Tさんはまだお若い学生さんです。

 八洲学園大学での勉学に取り組むにあたり重要なことは、「職場の方々の理解を得て勉強させてもらっているので、まずは周りの人々の協力を得ることです」といわれています。休日はレポート作成のための貴重な学習日になるので、ここぞとばかりに集中して勉強していらっしゃるそうです。休日をうまく使わないと、「実際、苦しい」と漏らされておりました。夜の時間帯のスクーリング、集中スクーリングや週末スクーリングなどを中心に履修するようにして、なるべく職場に迷惑をかけないように工夫していらっしゃるとのことです。

 八洲学園大学には仕事をしながら学んでいる学生さんがたくさんいるので、とても励みになるそうです。

 「子育ても、仕事も同時にこなす学生さんもいらっしゃる中で、私なんて“大変”の内に入らない」、「まだ社会で活躍していない身なので・・・」ともいわれていますが、地理的条件を克服してご自分の力で未来の扉を開けようとする前向きな生き方こそ、多くの方々に勇気を与えると申し上げて、このシリーズにご登場いただくことをお願いいたしました。とても優秀な学生さんです。

 本学が、Tさんのような前途有望な方を育み、希望を与えていることを、一教員として嬉しく誇りに思います。きっと、Tさんはご自分の夢を実現されることでしょう。Tさんの未来に幸あれ、と願うばかりです。

2008年2月22日

人間開発教育課程の学生さん紹介シリーズ(6)

浅井経子

 本シリーズでは、全国各地で活躍されている八洲学園大学人間開発教育課程の学生さんを紹介しています。第6回目は、あと1年で定年を迎えられるという宍戸次夫さん(2004年秋学期入学)をご紹介いたします。

 宍戸さんは苦楽を知り尽くした人生の師ともいえる方です。そのような宍戸さんが学ぶ喜びを語ってくださいました。改めて、学ぶことと生きることを考えさせられます。


【私の入学奮闘記】

 私は7人兄弟姉妹の末っ子として誕生した団塊の世代真っ只中の学生です。

 貧農で兄弟姉妹は皆義務教育で終了し巣立っていきました。しかし、自分だけは大学へ行きたいと親にねだったところ、大粒の涙を流し断られたことを思い出します。貧農のため入学資金が無かったのでしょう。親の年令になって初めて親の気持ちがわかりました。その時はもう親は墓の中でした。

 それから40年、パソコンと言う情報機器時代に入り、私の気持ちも一気に大学に入りたい気分になりました。それは自宅に居ながらにしてインターネットで勉強できる八洲学園大学を発見したからです。

 このきっかけは「孫」の誕生があったからです。孫と一緒に勉強したかったから、と言う単純な発想が動機でした。入学したときはほんとうにうれしかった。

 入学して4年が経ちました。物流会社の夜勤業務の仕事で、昼夜を問わず動き出す車の管理は必要以上に神経を使います。帰宅すると睡魔との戦いが始まり、何度かパソコンに向かって眠ってしまいました。目を覚ますと背中に毛布1枚がかかっていました。家内の心遣いの仕業であります。

 仕事をしながらの勉強は苦労ではありますが、また家族愛・夫婦愛の喜びも感じさせてくれるものであります。大学で学んだことは今、業務にとても参考になっています。生涯学習論は人間生活における知恵を教えてくれるもので、特に部下の教育に役立っています。経験と実績を生かし若者を育てることは仕事の苦労も吹き飛ぶ喜びでもあります。

 今、40年前を思い出し親の悔し涙を自分が嬉し涙に変えた瞬間でもあります。


 ユネスコの報告書に『ラーニング・トゥ・ビー』(1971)という有名な報告書があります。その報告書には、E.フロムの『所有するためか存在するためか』(To Have or To Be?,日本語訳は『生きるということ』紀伊國屋書店からでています。)という著書から、次のような一文が引用されています。

 「人間の全生涯が、自己自身を生み出していく過程にほかならない。真実われわれは死ぬときにおいてのみ完全に生まれるのである」

 宍戸さんの学習はきっとラーニング・トゥ・ビーそのものなのではないかと思います。

 なお、お仕事に関わっては、沼倉佑栄先生の『マネジャー論・リーダーシップ論』のテキストをいつも参考にしていらっしゃるとのことです。

 宍戸さんがお勤めの職場の風景です。

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 下のお写真は宍戸さんです。

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 上下のお写真は宍戸さんが研修会の講師をされているところです。

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2008年2月21日

人材グループのピンポイント学習について

沼倉佑栄

すでに当課程Webサイトでも情報が公開されているように、平成20年度から新カリキュラムに移行します。

人材開発教育論グループではこの改定に合わせて、ピンポイント学習についても見直しを行いました。

【新】ピンポイント学習
URL: http://study.jp/univ/ygun/pinpoint_H20.htm

ピンポイント学習とは、皆さんの興味・関心や必要に合わせて、テーマを絞り込んで、また自由な順序で履修していただく学習方式のことです。平成19年度までにおいても、ピンポイント学習を課程Webサイトで紹介していましたが(旧版ピンポイント学習)、この度のカリキュラム改定で、人材グループの科目が10科目以上増えるのを期に、ピンポイント学習のテーマ設定も含めて見直しを行いました。

新しいピンポイント学習のテーマは、以下の12テーマとなっています。


 ・企業とマネジメント
 ・経営実践能力開発
 ・経済学・財政学・法学の基礎
 ・まちづくり・地域再生の実践
 ・税理士資格・起業への基礎
 ・環境・エネルギー・テクノロジー
 ・アイディア発見能力開発
 ・人材と企業人物論
 ・ものの見方・考え方
 ・読解能力
 ・文章・論述・プレゼンテーション能力
 ・論理的思考力


正科生の方、科目等履修生の方を問わず、当グループの科目を履修する際の参考にしていただければと思います。詳しくは、【新】ピンポイント学習のページをご覧ください。

なお、「人材グループ」は「人材開発教育論グループ」の略称です。また、旧カリキュラムと新カリキュラムの対応については、新旧カリキュラム対応表のページをご覧ください。


2008年2月20日

人間開発教育課程「特別研究」の新設 ― 生涯学生への道

人間開発教育課程長  山本恒夫

 人間開発教育課程では、平成20年春学期から「特別研究」(専門科目)を新設いたします。

 人間開発教育課程は、21世紀ビジョンで、柔構造の課程として社会の課題に応えていくことを謳っています。これは、その方針に沿って、卒業後再入学したり、卒業しないで長期にわたり在学したりして、教員の指導を受けながら勉学・研究を続けたいという人たちの要望に応えようと新設した科目です。

 勿論、正科生、科目等履修生であれば、誰でも、何回でも、履修登録出来ます。

 どうぞ活用してください。


○ 開設科目名

 平成20年春学期

  浅 井 :特別研究(社会教育・生涯学習研究1)

  高 鷲 :特別研究(図書館学1)

  沼 倉 :特別研究(企業倫理と企業統治1)

  山本 格:特別研究(温暖化及び気候リスクに関する基礎的研究1)

  山本恒夫:特別研究(生涯学習支援研究1)

  秋 吉 :特別研究(日本文化史研究1)

  石 田 :特別研究(日本語文法研究1)

  篠 崎 :特別研究(学習成果を生かす社会システム研究1)

  田 井 :特別研究(生活・地域・学習研究1)

   塙   :特別研究(福祉国家と日米経済1)


 科目名は20年春学期が「○○1」ですが、秋学期は「○○2」となり、21年春学期以降、「○○3」、「○○4」・・・となっていきますので、継続して履修可能です。


○ S・T科目の別・単位数

 T科目・2単位


○ 単位認定方法

  レポートによる。


○ 開設期

 春・秋学期ともに開設。


○ シラバス

 それぞれの教員が科目毎にシラバスをアップしますので、参考にしてください。


 なお、これは「人間開発教育課程学生へのメッセージ」教室の教材にもアップしてあります。


2008年2月16日

人間開発教育課程の学生さん紹介シリーズ (5)

浅井経子

 本シリーズでは、全国各地で活躍されている八洲学園大学人間開発教育課程の学生さんを紹介しています。第5回目は、医療の最前線で活躍される古城剛さん(2006年秋学期3年編入)をご紹介いたします。

 古城さんは、現在、診療放射線技師として、CT、MRIを操作し、患者の方々に必要な診療用の画像を提供するという、極めて重要なお仕事をされています。

 八洲学園大学へ入学した動機はキャリアアップのための学士取得であったそうです。ところが、本学で学ぶうちに、特にインターネット活用のメディアスクーリングで学ぶなかで、その目標が大きく変化していくことにご自身とても驚いているそうで、次のように述べられています。

 「eラーニングにおける講師の先生方の教授の上手さと、他の学生の勉学意欲に触発され、『卒業するだけ』の目標が『多くを学び吸収して卒業し、さらに進化しよう』に変わりました。」

 特に、メディアスクーリングでのチャット等による学生同士の幅広い意見交換が刺激になっているようで、その効果について「不思議なことに」とさえ漏らされています。さらに、前回の授業の復習→講義→ディスカッションの流れで進むメディアスクーリングの魅力について、「あっと言う間の90分に感じられる」とのことです。

 テキスト履修については、教員からの、提出したレポートに対するコメントだけでなく励ましの言葉等は精神的なフォローアップにつながり、学習意欲の維持、向上に役立っていると喜ばれています。

 本学で学んだことによる仕事上の変化については、お仕事が医療系であるため学習成果が直接反映されるわけではないのですが、例えば職場でさまざまな問題点を把握したり解決方法等について考えたりすることが可能になってきたことをあげられ、さらに将来の展望も見えてきているように感じられるといわれています。

 古城さんは、半年間にスクーリング履修科目を2~3科目、テキスト履修科目を4~5科目のペースで履修することで、仕事、家庭そして学業のバランスを保つ工夫をされています。一日平均の勉強時間は、平日で1~2時間、休日には3~4時間とのことです。

 医療の最前線で活躍される古城さんからのお便りには、学ぶことの喜びがひしひしと伝わってきます。多くの人々の命を支えてくださる古城さんのますますのご活躍を願ってやみません。ちなみに、教員にとってもメディアスクーリングの90分はあっという間で、学生の皆様と楽しく授業させていただいていることを申し添えさせていただきます。

2008年2月15日

人間開発教育課程Webサイト、リニューアルのお知らせ

石田 尊

開学5年目となる平成20年度春学期から、本学のカリキュラムが改定されます。当課程Webサイトも、このカリキュラム改定に合わせてリニューアルいたしました。

課程Webサイト:http://study.jp/univ/ygun/

課程Webサイトは人間開発教育課程の公式サイトです。新旧のカリキュラムに関する情報、課程の特徴やビジョンについての情報、資格取得や科目修得認証についての情報など、在学生や入学検討者の方に向けた情報を紹介しています。

また、当課程を構成する生涯学習支援グループ人材グループについてのページも新設されました。

課程Webサイトは教員の手作りサイトであり、まだまだお見苦しい点もあるかと思いますが、ぜひご一覧いただき、学習活動等に役立てていただければ幸いです。

2008年2月11日

生涯学習と社会教育の違い ― 中教審答申案「新しい時代を切り拓く生涯学習の振興方策について」から

山本恒夫

 第50回生涯学習分科会が、平成20年2月6日に開かれました。パブリック・コメントの結果を反映した答申案「新しい時代を切り拓く生涯学習の振興方策について」が出され、審議の結果、中教審総会へ提出されることになりました。

 この日の審議では、改めてこの答申案で整理された生涯学習と社会教育の違いが確認されました。いまだに、これらの言葉を混同して使うことがありますので、その違いを答申案で追ってみたいと思います。


生涯学習の理念等についての基本的考え方

(生涯学習と生涯教育)

  • 「生涯学習」は、「生涯教育」を学習者の視点からとらえ直した考え方・理念であると言われることがあるが、これについては、昭和56年の中央教育審議会答申(「生涯教育について」)でも明らかにされているように、「生涯学習」が生涯にわたって行われる「具体的な学習活動」を指すものであるのに対し、「生涯教育」が「考え方・理念」を表すものであるので、同質の対称的な概念として両者をとらえることは適切ではない。生涯教育という「考え方・理念」に対応する概念としては、改正教育基本法第3条に新たに規定された「生涯学習の理念」が適切である。

(生涯学習に関する定義)

  • また、生涯学習という言葉の表す活動の幅があまりにも広範であり、その具体的な内容が定義されていないという指摘があるが、これについては、平成2年の中央教育審議会答申において指摘されているように、生涯学習は各個人が自発的意思に基づいて行うことを基本とし、手段についても必要に応じて、可能な限り自己に適した手段及び方法を自ら選びながら行うものとの考え方があることに留意する必要がある。
  • あわせて、多種多様なかたちで実現されるべき生涯学習の具体的な内容を、法律上定義することはその性質上適当ではないとして、これまでも法律上の定義を置かなかった経緯があること、実態上も国民に生涯学習という言葉が一定程度定着していること等も考慮する必要がある。
  • これらを踏まえれば、生涯学習の具体的な内容そのものを定義することよりも、行政として生涯学習を振興するに当たって、どの分野を対象とするのかなどを検討することが、今後の生涯学習振興行政にとって重要である。 

(生涯学習と社会教育・学校教育の関係)

  • このように整理した上で、生涯学習と社会教育・学校教育の関係を整理すれば、各個人が行う組織的ではない学習(自学自習)のみならず、社会教育や学校教育において行われる多様な学習活動を含め、国民一人一人がその生涯にわたって自主的・自発的に行うことを基本とした学習活動が生涯学習である、ということができる。この場合、概念的には、社会教育や学校教育そのものではなく、そこで行われる多様な学習活動が、生涯学習に包含される対象であることに留意する必要がある。

(生涯学習振興行政と社会教育行政・学校教育行政の関係)

  • また、改正教育基本法において明らかにされているように、国や地方公共団体が学校教育や社会教育に関する施策等を実施する際には、生涯学習の理念に配慮する必要がある。
  • このことを踏まえれば、生涯学習振興行政は、生涯学習の理念に則って、その理念を実現するための施策を推進する行政であるといえる。そのため、その行政に関する施策は、社会教育行政や学校教育行政によって個別に実施される施策を中心として、首長部局において実施される生涯学習に資する施策等に広がっている。これらの各分野ごとの施策において、それぞれ生涯学習の理念に配慮しつつ、各施策を推進することは必要であるが、その全体を総合的に調和・統合させるための行政が生涯学習の理念を実現させるための、生涯学習振興行政の固有の領域であると考えられる。
  • その内容として、これまでも整理されているように、①国民一人一人がその生涯にわたって、あらゆる機会に、あらゆる場所において学習することができる社会の実現のための生涯学習の機会の整備のための施策(学習情報を提供することや学習者のための相談体制を整備すること、潜在的な学習需要を持つ人々に対しても適切な配慮を行い学習意欲を高めるための啓発活動を行うこと、関係行政機関等の各種施策に関し連絡調整を図る体制を整備すること等)、②生涯学習の成果を適切に生かすことのできる社会の実現のための施策(成果を生かす場や成果を生かすための評価のための制度の構築等)が具体的な施策として挙げられる。
    なお、「社会教育」が社会教育法第2条において、「学校教育法に基き、学校の教育課程として行われる教育活動を除き、主として青少年及び成人に対して行われる組織的な教育活動(体育及びレクリエーションの活動を含む。)をいう。」と定義されていることからも、社会教育行政は、学校教育として行われる教育活動を除いた組織的な教育活動を対象とする行政である。 

 これで、臨時教育審議会が生涯学習という言葉のみを使用し、社会教育、生涯教育を排して以来の用語法の混乱に、終止符が打たれると思います。どうぞ、皆さんも利用なさってください。

2008年2月10日

人間開発教育課程の学生さん紹介シリーズ(4)

浅井経子

 本シリーズでは、全国各地で活躍されている八洲学園大学人間開発教育課程の学生さんを紹介しています。今回は、本学で学んだ学習成果を生かして大学図書館で働いているEさん(2005年春学期入学)をご紹介いたします。

 Eさんは、入学当時は、データサービス関連会社のパート勤務をされていたとのことですが、本学で司書資格科目を学ばれて、2007年1月に大学図書館に非常勤職員として採用されました。

 Eさんが本学に入学されたのは、「図書館で働きたい、そのためにも司書資格を取得しておきたい」というお気持ちからでした。1999年、お嬢さんが通う小学校で「絵本のわかちあいボランティア」として活動され、翌2000年には息子さんを出産され、お子さんたちに読んであげる本を選ぶため、地域の図書館へよく通うようになったそうです。そこで司書の方とも顔なじみになり、司書の仕事に興味を持つようになったとのことです。

 「2004年の秋、インターネットで八洲学園大学を知り、3人の子がいて、仕事もある自分にとって、インターネットで学ぶことができる大学はとても大きな魅力でした」と述べられています。また、教育にも興味があり、生涯学習学部の内容にも惹かれたとのことです。2005年春に正科生として入学し、現在は、図書館司書資格ばかりでなく、社会教育主事、博物館学芸員の資格も取得して、大学を卒業することを目標に、意欲的に学ばれています。

 本学で司書科目を学んだことが認められ、現在のお仕事に就くことができたとのことですし、図書館学で学んだことはお仕事の上で役立っているとのことです。しかも、そればかりでなく、

「生涯学習学を学ぶことにより視野が広がり、今まで以上に前向き生きるようになった」

「環境学では地球規模の問題、生活の見直しなどについて考えさせられた」

ともいわれています。入学当初は大卒や専門学校卒の学生は既に単位を取得しているので少ない単位で卒業できうらやましく思ったそうですが、いまは逆に本学で124単位とるのも素敵ではないかと思うようになったそうです。生涯学習学はおもしろいですから、と。

 本学のメディアスクーリングでの学習については、年齢も、立場も、学歴も多様な、多くの学生仲間とチャットやディスカッションで意見交換をすることができ、楽しく学ぶことができるとのことです。

 家事、仕事、子育て等に追われ、睡眠障害にも悩まされ、睡魔とは常に闘っているとのことです。なかなかまとまった学習時間をとることができない生活の中で、Eさんならではのアイディアを教えていただきました。

 ご自分の携帯電話に録音・再生機能があることを知ってから、夜のうちにテキストを読んで録音しておき、翌日家事をしながらイヤホンで聞いて勉強しているとのことです。課題が出たときには、印刷したり、自分の携帯電話にメールで課題内容を送ったりして、外出時や仕事の休憩時間に読むようにして工夫していらっしゃるとのことです。最後に、「家族の理解を得ることも大事ですね」といわれていました。

 Eさんのお子様は、学生主催のオフ会にも参加してくださったことがあり、よく存じ上げています。お母様譲りのとても利発なお子様方です。人間開発課程の山本恒夫先生と、年齢差を超えて(!)大の仲良しです。

 Eさんには、健康にくれぐれもお気をつけいただきたいと思っております。

2008年2月 9日

ヒューマンeラーニング実験参加者募集のお知らせ

ヒューマンeラーニング・プロジェクト・チーム 篠崎明子

 人間開発教育課程では、2月にヒューマンeラーニングの実験をすることになりました。

 今回は、新宿に仮のプラットホームを開設し、模擬授業をライブ配信してみたいと思います。その模擬授業「ショート・セミナー 新カリキュラム体験版<ミニ講義>」の参加者を募集いたします。

 現在は、スクーリングの科目は自宅か横浜本校で受講していただいていますが、各地で学習している学生の皆さんは、授業中に不安になったり、もどかしさを感じたりすることも多いかと思います。

 そのような各地で学習している皆さんの学習効果を高めるために、横浜本校以外の場所でも教員と学生が集まって、そこから授業をライブ配信することができるようにしたいと考え、今回の実験を行うことになりました。

 試験等で忙しい時期ではありますが、学生の皆さんにぜひ実験にご参加・ご協力をいただきたいと思います。気楽な気持ちでふるってお申し込み下さい。


■ヒューマンeラーニングについて


ヒューマンeラーニングについては人間開発教育課程のサイト内にあります「ヒューマンeラーニング」(http://study.jp/univ/ygun/HeLPT.htm)をご参照ください。


■実験に参加してできること


 ・模擬授業の中で、参加者同士でディスカッションルームを用いた交流を行うことができます(新宿会場の方はマイクを通じての発言になります)。

 ・授業の前後の期間、教室の掲示板を開きます。参加者は掲示板上で他の参加者と交流できます。

 ・新宿・横浜会場で参加する方は、会場に来た他の参加者や教員と情報交換ができます。


■実験について


 実験計画は以下の通りです。


1.目的

 横浜本校以外の場所で教員と学生が集まって模擬授業を行い、学外からの授業配信の本格実施に向けての課題と改善点を明らかにします。


2.方法

 (1) 横浜本校以外の会場で模擬授業を行い、それをライブ配信します。

 (2) 学生は、新宿会場または横浜本校、自宅で模擬授業に参加します。

 (3) 新宿会場および横浜本校では、模擬授業終了後に30分ほど交流会の時間を設けます。

 (4) 効果測定的なアンケートを行いますのでご協力下さい。


3.実験日時

 平成20年2月23日(土)12:40~15:30頃まで


4.実験会場

 A)八洲学園高等学校 新宿校舎7階教室

  http://www.yashima.ac.jp/hs/map/sinjuku.htm

 B)八洲学園大学 横浜本校(教室は後日お知らせいたします)

 C)参加学生自宅


5.対象

 実験協力者若干名(詳細は下記「参加者の条件」をご確認下さい。)


6.模擬授業の内容(予定)

 ショート・セミナー 新カリキュラム体験版<ミニ講義>

  秋吉講師:企業人物論(日本)

  塙 講師:財政学概論

  篠崎講師:仕事移動診断技法(転職)


 ※新宿からの配信でトラブルが起きた場合、横浜からの配信を行います。

 そのときは以下の内容になります。

  石田講師:論理的思考2(論理と表現)

  田井講師:仕事移動診断技法(地域社会活動移動)


7.備考

 ・配信トラブルの状況によっては、模擬授業自体を取りやめることがあります。

 ・通常の授業と同じ状態を想定しての実験であるため、今回は参加者を制限いたします。


■参加者の条件


 課程を問わず、実験に協力してくださる本学学生の方を募集いたします。

 A)当日、八洲学園高等学校新宿校舎に来られる本学学生の方(パソコン不要)

 B)当日、横浜本校に来られる本学学生の方(ご自分のパソコンをお持ち下さい。パソコン要件についてはこの記事の最後をご覧下さい。)

 C)当日、自宅等から遠隔参加が可能な本学学生の方

 人数によっては抽選を行いますので、ご了承下さい。


■参加希望の申し込み方法


 実験にご協力いただける方は、次のようにしてお申し込み下さい。


1.「ヒューマンeラーニング・プロジェクト」の教室に入る

 eLyにログインして、「科目検索」で「ヒューマン」と入力して検索すると「ヒューマンeラーニング・プロジェクト」の教室が見つかります。

2.質問機能を使って申し込む

 ヒューマンeラーニング・プロジェクトの教室から、質問機能を使って次の4点についてお知らせ下さい。

 (1)氏名

 (2)学籍番号

 (3)所属

 (4)どの条件で参加するか

  A:新宿会場で直接参加する

  B:横浜本校でパソコンを持ち込んで参加する

  C:自宅から遠隔で参加する

3.申し込み完了です。

 これで、申し込みは完了しました。後日、質問への返信の形でご連絡を差し上げます。


■申し込み〆切


 平成20年2月15日(金)


■申込者多数の場合


 人数が確定次第、実験についての詳細をお知らせいたします。

 なお、申し込み人数によっては抽選で参加者を決定しますので、実験に参加できなくなることもあります。ご了承下さい。


■実験に関するご質問について


 ヒューマンeラーニングの実験に関するご質問は、ヒューマンeラーニング・プロジェクトの教室から質問機能を使ってお送り下さい。方法は参加希望の申し込み方法と同様です。


※横浜本校で使用できるパソコンの要件について

 横浜本校で参加者される方には、できるだけご自分のパソコンをお使いいただきたいと考えております。ただし、パソコンによっては大学構内でインターネットにアクセス出来ない場合があります。パソコンを持参される方は、ご自分のパソコンが次の二つの要件を満たしていることを確認してください。

 ・本学のスクーリングが受講できるパソコンであること

 ・無線LAN経由でインターネットに接続できるパソコンであること


2008年2月 8日

新春・生涯学習躍進シリーズ ・その7(最終回) ― 答申素案の概要

山本恒夫

 第49回生涯学習分科会が、平成20年1月21日に開かれました。この日で、これまで1年半にわたって審議されてきた「新しい時代を切り拓く生涯学習の振興方策について」の答申素案がまとまり、国民の意見を求めることになりました(パブリック・コメント、1月23日~2月3日)。この「新春・生涯学習躍進シリーズ」も、これをもって最終回といたします。

 これまで、審議の中からトピックを拾って紹介してきましたが、それだけでは答申素案の全体がどうなっているのかわかりません。今回でこの新春・生涯学習躍進シリーズも終わりますので、最後に答申素案に付けられている「答申素案の概要」で答申素案の全容を紹介したいと思います。


【答申素案の概要】


<第1部>


1.生涯学習の振興への要請-高まる必要性と重要性

○総合的な「知」が求められる時代-社会の変化による要請

社会の変化に対応していくためには、自ら課題を見つけ考える力、柔軟な思考力、身に付けた知識や技能を活用して複雑な課題を解決する力及び他者との関係を築く力に加え、豊かな人間性等を含む総合的な「知」が必要となる。また、その他、自立した個人やコミュニティ(地域社会)の形成への要請、持続可能な社会の構築への要請等を踏まえ、生涯学習振興の必要性が高まっている。

2.社会の変化や要請に対応するために必要な力

○次代を担う子どもたちに必要な「生きる力」

○成人に必要な変化の激しい時代を生き抜くために必要な力

成人についても、変化の激しい社会を、自立した一人の人間として力強く生きていくための総合的な力を身に付けることができるよう、生涯にわたって学習を継続でき、その成果を適切に生かせる環境づくりが求められている。

3.目指すべき施策の方向性

○国民一人一人の生涯を通じた学習の支援-国民の「学ぶ意欲」を支える

  ・多様な学習機会の提供及び再チャレンジが可能な環境の整備
「学び直し」や新たな学びへの挑戦、学習成果を生かすことが可能な環境を整備。
  ・学習成果の評価の社会的通用性の向上
「民間事業者等が提供する学習機会等、その学習内容や学習成果等の質の保証や評価を行う方策の検討や、行政と民間事業者等との連携方策等について検討。

○社会全体の教育力の向上-学校・家庭・地域が連携するための仕組みづくり

  ・社会全体での学習機会や学習するための環境づくり
  ・地域のニーズを踏まえた地域社会全体での目標の共有化

以下略


<第2部>


1.施策を推進するに当たっての基本的な考え方

・社会教育行政や学校教育行政、首長部局において実施される生涯学習に資する施策等を総合的に調和・統合させるための行政が、生涯学習の理念を実現させるための生涯学習振興行政の固有の領域であること。

2.今後の行政等の在り方-生涯学習振興・社会教育の再構築

○教育基本法の改正を踏まえた規定の整備

教育委員会の新たな役割の明確化(学校支援活動や家庭教育支援等)。

○公民館、図書館及び博物館の機能の充実

公民館、図書館、博物館の運営状況に関する評価及び改善、情報提供に関する規定の整備。

○社会教育に係る専門職員の資格要件の見直しと資質の向上

司書及び学芸員等の資格要件の見直しと研修に関する規定の整備。

2008年2月 7日

人間開発教育課程の学生さん紹介シリーズ(3)

浅井経子

 本シリーズでは、全国各地で活躍されている八洲学園大学人間開発教育課程の学生さんを紹介しています。今回は山田哲也さん(2007年春学期3年編入)をご紹介いたします。

 山田哲也さんは、一度の転職を経てソフトウェア開発会社に勤務(勤続6年)している、社会人13年目の学生さんです。現在、プロジェクトマネージャーとして開発現場を統括するお立場にあり、また最近は、社内での役職もあがり採用面接や社内研修にも携わっていらっしゃるとのことで、お忙しい毎日をお過ごしです。昨年、会社でフットサル同好会を立ち上げられたとのことで、若い社員の方々と一緒に身体を動かすのを楽しみにされています。

 八洲学園大学には、会社での役職も上がり学士を取得した方がよいとお考えになり編入したとのことです。また、取得したい資格の受験資格の条件に学士号取得があったことも入学動機の一つのようです。

 実際に人間開発教育課程で学んでみると、学んだことが社会で使えることも多々あり、社会人として色々と経験した今だからこそ理解できることも多いのではないかといわれています。社会人経験のない時であれば、おそらく今ほどの深い理解は得られなかったのではないかということです。また教育関係の科目については、3歳のお嬢さんがいらっしゃるので参考になることがとても多く、楽しく学ぶことができるといわれています。

 八洲学園大学のeラーニング・システムについては、「スクーリング授業をオンデマンドで何度でも復習できることが素晴らしい」「休日の朝9時から始まる集中講義でも、15分ぐらい前に起きれば授業に間に合うので、時間を有効に使うことができ魅力的」といわれています。

 学習を続ける上で心がけていることは、
1) 平日の夜や休日など、本来であれば家族のために使うべき時間に勉強をすることになるので、家族に理解してもらうように気をつかっている
2) 満員の通勤電車の中でA4版のテキストを読むのは難しいので、半分ぐらいの大きさにコピーして持ち歩いている
などだそうです。

 山田さんの日々のご努力は、きっとさらなるキャリアアップへの道を開くものと確信しています。勉強しているお父様の背中をみながら健やかに成長されているお嬢様のこれからも楽しみです。

2008年2月 6日

新春・生涯学習躍進シリーズ ・その6 ―「これからの専門職の在り方」

山本恒夫

 第48回生涯学習分科会が、平成20年1月15日に開かれました。第47回中教審生涯学習分科会で審議された答申案に対する意見が盛り込まれました。

 1月15日の第48回生涯学習分科会は、新装なった虎ノ門の文部科学省で開かれました。年末年始に引越が行われたばかりですので、室温調節もままならず、委員の人達が寒いといっていました。

 答申案全文についての審議も2回目ですので、細かなところの指摘が多くなってきました。次回には答申案がまとまり、国民の意見聴取になるのではないかという雰囲気です。

 今回は、皆さんに関係の深い社会教育主事、司書、学芸員といった専門職のこれからの在り方についての最終的な提言を紹介してみたいと思います。

 社会教育主事については、従来の役割に加えて、生涯学習振興行政や社会教育行政を推進するに当たって、社会教育関係者や地域の人々の連携のための調整を行い、具体的な活動を触発していくコーディネーターの役割が追加されています。

 司書については、従来からの司書としての業務に加え、地域のビジネス支援、子どもの学校外の自主的学習の支援など、地域住民が図書館を地域の知的資源として活用し、さまざまな学習活動を行っていくことへの支援が強調されるようになりました。そのため、人々の学習ニーズに対応する能力を養う研修の重要性が指摘されています。

 学芸員については、地域文化の中核的拠点としての諸機能を強化するという観点から、人々の学習ニーズや、現代的課題に対応する専門的知識・技能を養うべきとされ、また一方で、学芸員として国際的にも遜色のない高い専門性と実践力を備える必要があるとされています。そのため、大学での資格科目や単位数の見直しが求められるに至りました。

2008年2月 5日

人間開発教育課程の学生さん紹介シリーズ (2)

浅井経子

 本シリーズでは、全国各地で活躍されている八洲学園大学人間開発教育課程の学生さんを紹介しています。第2回目は小学校教員歴28年の大ベテラン新山等さん(2006年春学期3年編入)をご紹介いたします。

 新山さんは現在、埼玉県日高市立高麗川小学校にお勤めで、2年生を担任(5クラス平行学年主任)していらっしゃいます。

 本学に入学された動機は、学芸員資格の取得だそうです。出身大学では史学を学ばれ、もともと博物館や美術館が好きで休みになるとよく色々なところに行かれるそうです。「もっと歴史や、人間について学びたい」、「自分の興味・関心を学問的に深めたい」という気持ちが高まり、学芸員資格を取りたいと思い、本学に入学されたとのことです。はじめは科目履修生で入学するつもりが、編入すれば学割が使えること、学費が安いこと等を知り、正科生として編入したそうです。

 学芸員資格は既に取得され、さらに学んでいることを深めようと、現在は社会教育主事資格を目指していらっしゃいます。

 新山さんは次のように言われています。

 「教える側」から「学ぶ側」になったことで、学ぶ側の気持ちが改めて認識できるようになり、また「学習支援者」としての意識も以前より強まり、これまで以上に子どもを中心に据えた授業づくりに力を入れて取り組むようになりました。「努力すれば夢は叶う」を自分の体験として子どもたちに語ることができます。また、保護者との繋がりの面でも、生涯学習の観点から一緒に学校と地域を創っていこうという下地ができてきました。

 八洲学園大学の魅了については、インターネットを通じて多くの学生と交流を深めることができること、悩みなども気軽に話すことができ、互いに励まし合うことができること、先生方と気軽に話ができ、人間力を高めることができること、先生からのコメント(レポートの添削)で学ぶ意欲が増し、自信を持つことができること、学費が安く安心して学べること、先生方が学生を大事にして援助してくれること、等をあげてくださいました。

 教員というお忙しいお仕事をこなしながら学んでいらっしゃるわけですが、時間をどう有効に使うかが大きな課題といわれています。そのコツを教えていただきましたのでご紹介いたします。

1)自分にとってのやるべき一日の優先順位をつけて取り組む。
2)短いスパン、長いスパンで計画と到達目標を掲げ実践し、実践しながらそれらを必要に応じて修正していく。
3)登録科目を少なくし、長い時間をかけてじっくり学ぶとともに、無理せず楽しく学び続ける。
4)趣味的活動や交流会に積極的に参加したり、家内と旅行したりして、心の安定を図る。
5)「一生学び続ける」との強い意志を持つ。

 新山さんのように、学習者の気持ちや生涯学習を理解した先生が今後さらに増えることを願いながら、紹介させていただきました。

2008年2月 4日

新春・生涯学習躍進シリーズ ・その5 ―教育振興基本計画の中の生涯学習振興

山本恒夫

 生涯学習振興に大きな影響のある教育振興基本計画の審議も進んでいます。第9回中教審教育振興基本計画特別部会(11月11日)のことはお伝えしましたが、その後、第10回(12月5日)、第11回(12月27日)の教育振興基本計画特別部会が開かれました。

 第10回教育振興基本計画特別部会は、関係団体から意見を聴くヒアリングで、計34団体の意見発表がありました。その他に21団体が 意見を提出しています。

 また、地方公聴会が11月13日・徳島、11月19日・千葉(船橋市)で開かれ、意見募集を行ったところ、11月12日~12月11日に、約669件の意見が出されました。

 生涯学習振興関係では、社会全体で教育の向上に取り組むとした中で、
(1)学校・家庭・地域の連携協力を強化し、社会全体の教育力を図る。 
(2)いつでもどこでも学べる環境をつくる。
について、意見発表者と中教審委員の間で質疑、意見交換がありました。特に、地域の課題解決、住民の学習活動、個人の自立を支援する図書館・博物館の機能の充実を図るということでは、中教審委員から地方自治体に対し、図書館・博物館のミッションを明確にすべだという注文が出されています。

 第11回教育振興基本計画特別部会は、ヒアリング、意見提出、地方公聴会、一般意見募集の結果のまとめが報告され、今後の審議に反映されることになりました。

 新たに出された審議事項の中には、改正教育基本法に、国の教育振興基本計画のみならず、地方公共団体も、地域の実情に応じて、教育振興基本計画の策定に努める旨の規定があるので、今後、各地方公共団体でも、国の教育振興基本計画を参考にしながら、教育振興基本計画の策定に努めることが必要、という指摘も入っています。今後、地方公共団体の計画も変わってきます。

 なお、平成20年度政府予算案の説明もあり、「生涯を通じた学習機会の拡大」では、「生涯学習の学習成果の評価等の在り方の調査研究」が新規で予算がついています。したがって、既に一部の新聞で報道もされましたが、20年度には学習成果の評価等の仕組みづくりが始まります。

2008年2月 1日

人間開発教育課程の学生さん紹介シリーズ (1)

浅井経子

 本シリーズは、全国各地で活躍されている八洲学園大学人間開発教育課程の学生さんを紹介するものです。第1回目は生涯学習領域で長くご活躍の中村好江さん(2004年秋学期入学)をご紹介いたします。

 中村好江さんは、平成11年に個人オフィスを起業し、行政の依頼を受けて生涯学習・社会教育講座プログラムを提供したり民間企業や社会福祉法人などの依頼を受けて人材育成・能力開発研修プログラムを提供したりするお仕事をなさっています。中村さんには「経験と学問、時代を拓く仕事」というタイトルで、ご自身のお仕事と学習についてのこれまでのご経験を語っていただきました。

「経験と学問、時代を拓く仕事」
 八洲学園大学に正科入学した動機には、長い経緯があります。
 高度経済成長期といわれた頃、15年ほど企業の総務、労務、人事、役員室担当勤務を経験して退職し、子育て専業主婦になりました。息子の小学校入学を機に、主婦業の傍ら5年ほど講座・講演で学んだ後、地域の生涯学級の企画運営に携わっておりました。そのときに、専門的知識の基礎をしっかり持ちたいと思い、文部省認定社会通信教育講座「生涯学習指導者養成講座」を受講(これは現在、八洲学園大学の「生涯学習論」4単位に代替できる)、生涯学習インストラクターの資格を取得しました。そこで学んだ成果を生かし、様々な学習支援・相談ボランティア活動に5年ほど取組みました。
 日本で「コーチ」の養成事業が始まって間もない平成11年、(財)生涯学習開発財団認定「コーチ」資格を取得し、丁度その頃「企業におけるコーチングを活かした人材育成」の仕事に恵まれたことを機会に、過去の職歴、学習・活動実績、表彰歴・評価歴を踏まえて起業しました。NPO法が施行されたときでもありましたので、NPOの設立・運営・事務実務も学び、社会教育NPOの一員として関わるようになり、これも仕事の一部となりました。
 これらの経緯の中で、6つの大学・教育学系と経営学系の公開講座8種のコースでも学び、平成16年秋期には八洲学園大学「人間開発教育課程」に正科生として入学しました。
 過去の経験を生かす学び方もあれば、未知の学びから入って社会で生かす学び方もあります。私が長い年月をかけて試行錯誤した過去の学習と実践を学問的に分析・検証し直すために、また流動的で変化の速い社会に適応できる力を更に培っていくために、八洲学園大学はまさに私が求めていた大学です。学位取得を目的とするのではなく、高齢社会の先端を生きる者として、生涯、研究のために在学していたいものです。

 中村さんは、文部省認定社会通信教育講座「生涯学習指導者養成講座」を優秀な成績で修了し、文部大臣賞を受賞されたこともあり、そのときには「この道は自分に与えられた使命」と心に刻まれたとのことです。以来、地域や企業と関わって幅広くご活躍で、人間開発教育課程にとっても心強い存在です。

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