« ヒューマンeラーニング交流会(2/7)のご案内 | □ | 沼倉佑栄先生が講師を務められる講座のご案内 »

50代、60代と大学等への進学

浅井経子

 日本人は教育熱心で、それゆえ学歴偏重の傾向があるとさえいわれてきました。本当にそうなのでしょうか。ちょっと意外なデータを見つけました。

 高等教育の学歴をもつ人口の比率についての国際比較のデータがあります。それをみると、我が国の場合25~34歳では53%を占め、カナダ(54%)に次いで世界第2位となっています。ところが、55~64歳の場合は22%で、第11位とかなりダウンします。

 これはOECDのデータ(2007年)です。翻訳した知人が翻訳書を送ってくださったので、元のデータをネットで調べてみました。出典は下記の通りです。
http://ocde.p4.siteinternet.com/publications/doifiles/962008081P1G024.xls
 翻訳書は、OECD教育研究確信センター編著『教育のトレンド』(立田慶裕監訳、明石書店、2009年)です。

 ちなみに、55~64歳で高等教育の学歴を持っている人口比率が日本よりも高い国は、アメリカ37%、カナダ36%、フィンランド27%、デンマーク27%、スウェーデン25%、ノルウェー、オーストラリア、オランダ、イギリスが24%、ドイツが23%となっています。

 現在の50代、60代が青年期の頃、日本の大学進学率が西洋諸国と比較して劣っていたとは到底思えません。ちなみに、2007年に60歳の人が18歳であったのは1965年ですが、そのときの高等教育機関への進学率をみると、アメリカが40%でダントツに高く、日本は17.1%、フランス11.7%、イギリス11%、西ドイツ7.6%となっています。そう考えますと、西洋の国々では社会人になってから大学で教育を受けた人がかなりいるのではないかと思われます。

 いいかえれば、このようなデータから、自分のことはさておき、子どもの教育に力を注ぎ子どもには高学歴を与えようと苦労してきた日本人の姿を垣間見ることができます。それに対して、西洋の国々では早くから子どもを自立させますから、むしろ社会に出た後に大学等に戻って自己向上を図る大人たちが多かったということではないかと思います。

 今からでも遅くはありません。日本の社会人も積極的に大学で学んでみてはどうでしょう。大学は青年だけのものではありませんから、50代や60代の大学生がもっといてもよいように思います。