21【父の字義】
「父。矩也。家長率教者。从又挙杖。」
「父。矩(く)なり。家長の率いて教うる者なり。又(ゆう)に从(したが)いて杖(つえ)を挙ぐ。」(『説文解字』)
「父」の字は会意文字で、白川静の『字統』によると、「斧」の頭部の形(|)と、もともと手の形をあらわす「又」とを組み合わせた文字であるという。
「矩」は畳韻で「父」を訓じたもの(「ふ」と「く」の発音の「U」が共有されているということ)。「从又挙杖」は、手に杖を持っている形を表現したもの。斧といい、杖といい、共にある集団の長のもちものとしてその地位や身分をあらわすシンボル。
『説文解字(せつもんかいじ)』は、後漢の許慎(きょしん)が著した中国最古の漢字字書。
「父」とは、一家の長として家族の行動様式の模範・準拠であり、指導者・統率者であるということ。