2008年も本当に残り少なくなりました。授業終了後は、まず、放送大学で再来年放送する学校図書館司書教諭資格取得科目「学習指導と学校図書館」の教材構成案を考え、提出しました。私は第1,2章を担当なので、他のメンバーのおおよその構成も考え、特にどこで取材をし、どのような場面を入れるかを考えました。今回もおもしろい内容になりそうです。鶴岡市立朝暘第一小学校の他に、島根県東出雲町の小中学校図書館の活動を見させていただく予定です。
後、本務校関係でいくつか考えなければならないこともあります。今日中に送ります。
本も最近購入した図書館関係の本などを読んでいます。何冊か紹介します。
『図書館 : このすばらしき世界』 藤野幸雄著 勉誠出版、2008.12
著者の藤野先生は、専門図書館勤務の後、図書館情報大学教授、副学長を務められた、図書館史が専門の方で多くの著作があります。
本書は、現在の「読書離れ」の風潮を嘆き、幼い頃から本に触れることによって「読書」を身につけてほしい。その際、図書館(公共図書館や学校図書館)が身近にあった人は幸せだった。「図書館」がなぜ必要なのか、「すばらしい」かを著者自らの考えを述べようとしてまとめられたのが本書です。図書館員向けではなく、「一般市民や司書講習の学生」達を対象にしています。
図書館の歴史、図書館員、蔵書、図書館建築、図書館サービス、分類や目録、教育と研究、図書館協会などを幅広いテーマについて、ご自身の見聞を交えて紹介されています。
図書館のすべてをひとまずひとまとめに知りたいと考えている方には、絶好の本です。
『図書館ねこデューイ : 町を幸せにしたトラねこの物語』 ヴィッキー・マイロン著 羽田志津子訳 早川書房、2008.10
1988年1月、アメリカ中西部のアイオワ州の田舎街スペンサーの公共図書館の返却ボックスで見つかった子猫の物語です。
著者は、図書館員として5年、館長として20年勤務した方です。
名前は、「十進分類法」の創始者、メルヴィル・デューイMelvil Deweyにちなんで、デューイと名付けられました。正式名は、Dewey Readmore Booksです。
図書館に正式に飼われ、図書館員、利用者(町の人)にかわいがられた猫の18年を書いています。
図書館にやってくる人を迎え、膝の上に乗るねこデューイは子供に笑顔を浮かべさせ、大人を癒し、人々にデューイに逢いに図書館に来るようにさせたのです。
マスコミにもこのねこは取り上げられ、全米にも知られるようになります。2003年には、NHKが取材し、放送したそうです。(残念ながら私は見ていません。)
2006年にデューイはなくなり、著者のマイロンさんも翌年図書館勤務をやめます。
このねこのかわいらしさもいいですが、私にとってはこの著者の図書館での仕事ぶりが紹介されており、アメリカの公共図書館、それも大都会ではなくごく当たり前の図書館の日常が書かれているのがとてもおもしろかったです。
図書館員として務め、館長が辞任したので、その後釜に立候補して任命されるのですが、「修士号」が必要になり、図書館情報大学院で勉強する場面があります。アメリカでは、専門職の図書館員になるには、アメリカ図書館協会が認定した図書館情報学大学院で修士号を取るのは不可欠なのです。
レポートにおわれる場面が出てきますので、八洲の受講生は身につまされるのではないでしょうか。
それと館長になりたいと申し出ましたが、申し出を受けそれを承認するのは、市民で構成されている「図書館理事会」です。
そうした仕組みもよくわかります。
『図書館・アーカイブスとは何か』(別冊 環 15) 藤原書店、2008.11
本書は、図書館や文書館についての特集号です。
"図書館とアーカイブスは活字文化と文書記録を蓄積し活用する知の社会装置である。人びとが活字文化に親しむ場を提供するとともに、時代を体現する書物を継続的に集め、保管し続けることによって、時代を超えて知を継承している。
今、日本の知の装置である図書館とアーカイブスは、IT革命の進展、財政経済状況の悪化、人々の選好変化等の社会の構造的変化によって、大きな岐路に立たされている。
こうした問題意識に立って、この別冊では、図書館とアーカイブスの「原理」を問うことを中心に据え、出版、利用者など、関連する様々な領域の視点を交え、また国内外の事例を具体的に紹介しながら、図書館とアーカイブスが直面する課題と、そこから脱却する方途、そして、より積極的な未来への夢について幅広く議論する、いわば「公論の場」を提供しようとする者である。"(本書より)
多くの方が様々な論点で論じています。一度是非目を通してください。
