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本の紹介『一人ひとりの読書を支える学校図書館:特別支援教育から見えてくるニーズとサポート』

 8月には行って、知人から学校図書館関係(1冊は読書指導が主)の本が送られてきました。

 『一人ひとりの読書を支える学校図書館:特別支援教育から見えてくるニーズとサポート』野口武悟編著 読書工房、2010.7  2,000円

 本書は、特別支援教育と学校図書館をテーマに、筑波大学大学院で博士論文を書き図書館情報学博士を取得した、専修大学准教授野口武悟さんの、本分野をまとめて紹介した日本で最初の概論書です。本分野では、日本でも最先端を行く研究者と言っても過言ではないでしょう。

 特別支援教育が本格的にスタートしたのは2007年度です。「特別なニーズをもつ子どもたちを、従来の学校教育の制度にあてはめるのではなく、学校教育そのものを、一人ひとりのニーズに合わせていくこと」が特別支援教育の理念とされています。

 「学校図書館が一人ひとりの子どもたちのニーズを知り、それらのニーズに対応したサポート技術を使いながら実践した事例について網羅的に扱った入門書や概説」として本書は編まれました。

 本書は、「学校図書館が特別な支援を必要とする子どもに対してどのような読書環境を用意し、サポートを行っているのか、あるいは行っていく必要があるのかについて、具体的な事例を通してわかりやすく紹介」しています。

 第1章 2007年度から本格的にスタートした特別支援教育、そして、すべての学校に設置が義務づけられている学校図書館の両者について、基本的な事柄を説明。

 第2章 特別支援学校の学校図書館の実体について、事例を通して具体的に説明。事例:横浜市立盲特別支援学校(視覚障害)、熊本県立養護学校(肢体不自由)、鳥取県立白兎養護学校(知的障害)。

 第3章 小学校・中学校の学校図書館における特別な支援の実際について、事例を通して具体的に紹介。

 第4章 学校図書館単独で取り組むのでは不十分な実践に終わる可能性が大きい。ボランティア、公共図書館、病院や施設、他校の学校図書館との連携協力の実体等が述べられています。

 第5章 特別支援教育における学校図書館の全国的な現状と課題を、具体的なデータを交えながら、紹介する。(野口さんは、悉皆調査で特別支援教育と学校図書館の実体についての貴重なデータをお持ちで、そのデータを用いて実態が述べられています

 特別支援教育と学校図書館について、全体を把握できる概論書が出版された意義はとても大きいと思います。一人でも多くの方が読まれて、特別支援教育における学校図書館の活動が寄り豊かになり、多くの子ども達が読書を愉しんでほしいと思います。

 

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2010年8月23日 08:20に投稿されたエントリのページです。

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