道徳とは何か 節度 思慮
道徳とは何なのでしょう。人は、このようにあらねばならないとする枠をつくることでしょうか。わたしは、どうも違うような気がしてなりません。その昔、道徳は、混沌とした時代を切り開き、生きることに夢を与えるために創造されたのだという気がしています。その視点に立って、道徳の価値を誰でもがわかり、それを、自らの人生の応援と成していけるようなことはできないだろうかと、ここ数ヶ月悩んできました。そして、ある思いに至りました。それは道徳の価値内容を示す言葉を、日常生活の中に登場させることです。
道徳の内容を示す言葉とは、正直、勇気、誠実、責任...等々の言葉です。現在、これらの言葉は、人を叱る時に使われることが多い気がします。それによって、それらの言葉のもつ価値を矮小化させているのではないかと思います。本来は、正直に生きるとはどういうことか、勇気をもつとはどういうことかというように、よりよく生きる方向性を探し求めようとするものであったはずです。
そこで、日常生活の中でそれらの言葉を目に触れさせ、そのことについての会話ができる機会をつくりたいと考えました。その道具として、トランプカードに、道徳の内容を仕込んだカードをつくることにしました。トランプのカードとして遊びながら、人生を豊かに生きるための言葉が目に入ることによって、叱るときにつかっていた道徳を、前向きにつかっていくことができると考えたのです。
名付けて、「人生を応援する道徳カード」。
各家庭で、あるいは学校の教室で、人生や道徳のこととが話題になれば一歩前進できます。
そして、そのカードができました。スペード13枚、ハート13枚、ダイヤ13枚、クラブ13枚、ジョーカー1枚で、全部で53枚になります。
スペードは、自分自身にかかわる道徳、ハートは他の人にかかわる道徳、ダイヤは自然や生命にかかわる道徳、クラブは社会にかかわる道徳で構成されています。
ただ今、モニターを募集しています。実際に使って、試してみませんか。
これから、少し、紹介していくことにします。
スペードのAは節度です。

スペードの2は思慮です。

どちらとも、「けじめをつけなさい」「反省をしなさい」等、人を叱る時に使われやすい言葉ですが、でも、前向きに生きる道を示す意味もあると思います。
節度とは何でしょう。生活を節(せつ)に区切ってみると何かが見えてきます。季節もそうです。一年を3ヶ月という節で分けると、季節ができました。季節があるから、春の楽しみ方、夏の暮らし方などのイメージができます。他の生活もそうなのです。学校と家庭とに区切ることで、学校の生活はどうすればよいか、家庭ではどうすればよいかがわかります。学校でも、勉強時間と遊び時間を区切ることで、勉強時間にはどうすればよいかがわかってきます。人の生活を節で区切ってみることによって自分のあり方が見えてくるはずです。
思慮とは、よく考えることです。考えることは、飛躍の一歩手前です。反省する力があることは、人としてとても素晴らしいことです。今の時代、デジタル思考ですぐに結果を求め、勝ち負けを決めたくなりがちです。しかし、それが、「キレル」という現象を生み出しているのだと思います。古代中国の考え方に、「四道五動」というのがあることを知りました。前に進む、後ろに下がる、右に曲がる、左に曲がる、というように、人生の岐路では四つの選択肢に悩むことがあります。その中で、五番目の動きがあるというのです。じっとしていることです。じっとしていて、よく考える、それが、効を奏すことが多いのだそうです。考えるということは、心を動かすということです。思慮もなかなかの力を見せてくれそうです。

