学長情報シリーズ19・地域・学校・家庭の連携方策
教育基本法第13条「地域・学校・家庭の連携」の新設を受けて、学校への支援や地域で子どもを育てることへの支援に多額の国家予算が投ぜられています。
教育基本法第13条「学校、家庭及び地域住民等の相互の連携協力」は、次のようになっています。
学校、家庭及び地域住民その他の関係者は、教育におけるそれぞれの役割と責任を自覚するとともに、相互の連携及び協力に努めるものとする。
これを受けて、平成20年度には、社会全体で教育力を高めて学校を支援する施策が立てられ、新たに学校支援地域本部を中学校区に1つは設置することになりました。それに投ぜられる国家予算は約50億円です。これは初年度で、3年間は予算が措置されます。
これ以前にも、子どもの居場所づくりに巨額の予算がつけられており、その前から緊急子どもプランに予算が集められていたため、今や地域の社会教育は子どものことばかりではないかという批判が高まっていました。子どものことを考え、地域の教育力を高めようとするのであれば、もっと成人や高齢者の学習支援を行うべきだというのです。
たしかにそうなのですが、成人対象の方は、地域の社会教育ではなく、次回にお話しする学習成果の活用の方に関心が寄せられています。しかし、地域の社会教育を軽視してよいということにはなりません。
ところが、今年度に入り、学校支援地域本部が各地で作られ始め、全国ブロック毎に学校支援地域本部をどう作るかというフォーラムが開かれ始めますと、変化が生じてきました。
8月26日に仙台で開かれた東北・北海道地区の『「学校支援地域本部キックオフ」研究協議会』に参加しましたが、そこでは、学校を支援しながら、地域の人々もそれを利用して自らの力を高めていこうという気運が出始めていたのです。
この施策を検討する文部科学省「学校支援地域活性化推進委員会」も、最初の頃は学校か地域の人々かという二者択一的な議論が多かったのですが、次第に、学校も地域もという両立論が前面に出てきました。それが本来の学社連携・融合でしょう。
仙台の『「学校支援地域本部キックオフ」研究協議会』でも、直前になって、文部科学省から、教員の参加が多いので学社融合の話も入れて欲しいという緊急のメールが入ってきました。これからの地域における社会教育の発展は、この学社連携・融合の正道を歩むかどうかにかかってきますね。
学校支援地域本部というのは、学校と地域を結ぶ仕組みで、地域教育協議会を設置し、地域コーディネーター(有償、新設)が連携・融合の仲立ちをするというものです。本学の学生さんが仕事外での活動や定年後に活動する場が増えると思います。
学社融合の提唱をした本家・本元は本学の教員ですから、本学の科目には「学社連携・融合論」(テキスト科目)があります。


