7月4日に、第12回"社会人のための大学フェアin かながわ"で、「社会人のための大学活用法―大学の源流である社会人の学習法」というテーマの記念講演を行い、次のような話をしました。
会場には、八洲学園大学の学生さんも何人か来ておりました。
現在の大学は、近世の交易が盛んになったヨーロッパで、学者のもとへ遍歴学生が集まって来たところに端を発します。その起源は、霧の中にあってよくわからないことが多いのですが、12~13世紀頃のボロニア(イタリア)、パリ、オクスフォードなどで、学問を中心とする生活の仕組みを作り始めたところにあります。
大学の発展には、今から500年前の印刷術の発明を抜きにしては考えられません。印刷術は、知の普及に大きな役割を果たしました。今や我が国でも、大学・短大は合わせて1100以上になっています。
20世紀には、コンピュータの発明による情報革命が起こり、従来は大学へ行かなければ、学問もできなかったのが、在宅のままで、大学の勉強ができるようになりました。インターネット・ライブで授業を行う八洲学園大学は、その最先端を行っています。
社会変化が加速化し、知識の陳腐化速度も速まってきていますから、社会人が大学で学び直そうとする傾向が顕著になってきましたが、多くの大学は社会人に合うようなカリキュラムを持っていません。したがって、社会人側が成人の学習法を自覚して大学を活用しないと、うまくいかないおそれがあります。
本学は生涯学習関係の科目が充実していますから、知っている人が多いと思いますが、成人は自立的で、蓄積した経験を使って学習します。学習の適時性(グッドタイミング)を考えると、その時々の社会的役割から生ずる課題に取り組む学習が効果的で、学習したことはすぐに活用します。したがって、社会人には問題解決・課題解決的な学習が合っています。
大学発祥の頃は問題解決的・課題解決的な講義が多かったようですが、近代の大学はそうなっていません。そのため、社会人が今の大学に入った場合、学習ニーズに合わないで不適応を起こすこともありますから、成人の学習の特徴を自覚して、うまく大学を活用した方がよいと思います。
これからの我が国の大学は、社会人対応が必要ですから、従来からの系統的科目群に加えて、課題解決的科目群も持つという、並行型カリキュラムへの移行を図っていかなければならないように思います。